なぜ自ら歩み寄ったのか―MLB屈指の遊撃手が語る、想像を越えた“イチロー愛”

マリナーズ・イチロー(左)とインディアンス・リンドーア【写真:田口有史、Getty Images】
マリナーズ・イチロー(左)とインディアンス・リンドーア【写真:田口有史、Getty Images】

インディアンスのスター選手リンドーアはなぜイチローに「挨拶」したのか

 マリナーズに6年ぶりに復帰したイチロー外野手。メジャー最年長選手として18年目のシーズンを迎えた背番号51は、開幕2戦目の3月31日(日本時間4月1日)本拠地インディアンス戦で“ホームランキャッチ”を見せるなど、衰え知らずのパフォーマンスで観衆を沸かせている。

 イチロー凱旋に大いに沸くのはシアトルの人々だけではない。対戦相手の若き実力者も背番号51の健在ぶりに心を躍らせていた。
 
「イチローは偉大な男だよ。彼は僕にとってもロールモデル(お手本)。僕は彼を見ながら育ってきた。大事な存在なんだ。時には彼のバッティングの真似もしていたんだよ。彼は最高の選手で、野球というスポーツにとっても偉大なるアンバサダーだよ」

 2日(同3日)の敵地エンゼルス戦前のロッカールームで、嬉しそうに語ったのはインディアンスのフランシスコ・リンドーア内野手。1日(同2日)までシアトルでの開幕カード3試合を戦っていた。ア・リーグ屈指の強豪で不動のリードオフマンを務める24歳は、昨季打率.273、33本塁打、89打点を記録し、シルバースラッガー賞を受賞。MVP投票で5位に入った。2016年にはゴールドグラブ賞にも輝いた若きスーパースターだ。

 リンドーアは1日(同2日)のマリナーズとの開幕カード第3戦の試合前、夢にまで見た瞬間を迎えた。この日は両軍とも試合前の練習がなく、自主的にグラウンドでキャッチボールやストレッチ、ランニングを行う選手の姿がフィールドにあった。背番号51は通訳とキャッチボールをしていたが、そこに背後から歩み寄ったのがリンドーアだった。挨拶を交わすと、笑顔を浮かべながら会話がスタートした。

「僕が彼のことをどれほどまでに尊敬しているか、伝えたかった」

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