“沈黙の14秒”が物語る大谷翔平の衝撃 3戦連続弾に実況は二の句が継げず
メジャー通算132勝投手も驚嘆「現実離れしている」
エンゼルスの大谷翔平投手が6日(日本時間7日)、本拠地アスレチックス戦で3試合連続ホームランとなる今季3号を放ち、歴史に名を刻んだ。「8番・DH」で先発出場したこの日、6点ビハインドの2回、第1打席に反撃の狼煙となるソロ弾を中堅スタンド深くに向けて発射。1シーズンに先発投手として勝利&3戦連続アーチの偉業を達成したのは、1930年のベーブ・ルース以来初の快挙となった。大谷の一発で勢いづいたチームは13-9で逆転勝利。この一戦を中継した地元テレビ局の実況は、目の前で起きた事実に唖然としたまま、14秒の沈黙の後、「冗談でしょ?」と続けるしかなかった。
序盤に大量6点を失ったエンゼルス。早くも試合の大勢は決まったかに思えたが、日本からやってきた“二刀流”が流れを変えた。0-6で迎えた2回2死走者なし。形勢不利な状況で打席に立った大谷は、相手先発ゴセットがカウント1-1から投じた3球目94マイル(約151キロ)ツーシームを捉えた。乾いた音を響かせながら、真っ直ぐセンター方向へ飛び出した打球は、中堅スタンドにある岩山に着弾。449フィート(約137メートル)の巨大アーチとなった。
大谷が初先発初勝利を挙げた試合で投げ勝った相手がゴセット。不思議な縁でつながった右腕のツーシームを強振した瞬間、試合を中継した地元テレビ局「FOXスポーツ・ウエスト」で実況を務めるビクター・ロハス氏は「この打球はセンターへ! オオタニサンがまたやってのけた!」と絶叫。その直後、あまりの出来事に二の句が継げず。14秒の沈黙の後で解説を務めるメジャー通算132勝投手のマーク・グビザ氏は、ダイヤモンドを回った大谷がホームインする頃、ようやく「冗談でしょ? 現実離れしている。ショウヘイ・オオタニ!」と驚嘆の声を上げた。
メジャー14年で球宴2度、ワールドシリーズ優勝1度を味わった右腕ですら沈黙せざるを得なかった事実に、大谷が米球界に与えた衝撃の大きさが凝縮されている。
(Full-Count編集部)