先発投手の最低限の責任 今季の「QS」数から見る12球団の台所事情

阪神・秋山拓巳【写真:荒川祐史】
阪神・秋山拓巳【写真:荒川祐史】

パ・リーグは首位西武がトップの11QS、先発投手の安定感は抜群

 NPBのペナントレースが始まって3週間弱、各球団はペナントレースの1割前後の試合数を消化した。両リーグの勢力図も明らかになりつつあるが、先発投手の成績に注目すると各球団の今季の投手事情が浮かび上がってくる。

 QS(クオリティ・スタート)とは、先発投手が6回以上投げて自責点3以下に抑えること。QSは先発投手の最低限の仕事とされる。またHQS(ハイ・クオリティ・スタート)は7回以上投げて自責点2以下。HQSは「好投」とみなすことができる。各球団のQS、HQSを見ていこう。()はQS以上の試合の勝敗。

【パ・リーグ】

ソフトバンク 13試合 QS7 HQS3 (3勝2敗2勝敗なし)
西武 15試合 QS11 HQS6 (9勝1敗1勝敗なし)
楽天 16試合 QS9 HQS3 (2勝1敗6勝敗なし)
オリックス 15試合 QS8 HQS1 (2勝5敗1勝敗なし)
日本ハム 15試合 QS9 HQS6 (4勝2敗3勝敗なし)
ロッテ 14試合 QS8 HQS3 (5勝1敗2勝敗なし)

 西武は15試合を消化して11QS、多和田真三郎が3QS、菊池雄星、十亀剣、ウルフが2QSとローテーション投手が抜群の安定感。そして11QSのうち9試合で勝ちがついている。先発投手の好投に、打線が応えている。

 西武に続いて楽天、日本ハムが9QSだが、楽天はわずか2勝。好投しても打線の援護が少なく、報われない状況であることがわかる。

 ロッテは8QSで5勝、セーブ数は3だが、ホールドがリーグ最多の17、接戦で先発投手からマウンドを引きついだ中継ぎ投手が踏ん張っている。ソフトバンクは最も少ない7QSだが、セーブ数は日本ハムと並ぶ最多タイの6。救援投手の貢献度が高いが、18日に守護神のサファテが登録を抹消された。

 個人では西武の多和田、オリックスの西勇輝、日本ハムのマルティネス、ロッテの石川歩が3QSだが、多和田、石川が3勝しているのに対して西は3敗だ。

セは阪神がトップの9QS、中日ジーは2完投も白星なし

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