ソフトバンク2軍で連日の大記録 17年ぶりサイクル&トリプルプレー誕生

ソフトバンク・江川智晃【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・江川智晃【写真:藤浦一都】

28日の2軍中日戦で江川が17年ぶり13人目のサイクル達成

 ソフトバンク2軍は4月28日と29日、ナゴヤ球場で中日とのウエスタン・リーグ公式戦に臨み、「サイクル安打」と「トリプルプレー」を達成した。2日連続での大記録は極めて珍しい。

「サイクル安打」は、28日に「4番・右翼」で先発した江川智晃外野手が記録した。1回表、中日先発の鈴木翔太から左翼に二塁打した江川は、3回には同じく鈴木から右翼に三塁打、4回には3番手・小熊から右前打を放ち、サイクルヒットに王手をかけた。6回の第4打席は中飛に倒れたが、7回に4番手・若松から左翼に本塁打して、サイクル安打を達成した。

 ウエスタン・リーグでのサイクル安打は2001年の荒金久雄(ダイエー)以来17年ぶり史上13人目の快挙。場内で偉業を伝える放送などはなく、ゴールデンウィーク初日に詰めかけた1716人の観客から拍手が起こることもなかった。ソフトバンクの1軍では、4月21日に柳田悠岐が史上65人目、70回目のサイクル安打を達成している。

 翌29日、同じナゴヤ球場での中日戦で、ソフトバンクは今度はトリプルプレーを達成した。5回裏、中日は6番・近藤が左翼に二塁打、続く7番・三ツ俣が四球で歩き、無死一、二塁の得点機を生む。ソフトバンクの先発・古谷はピンチを迎えたが、ここで8番・伊藤康の打球は三塁へのゴロ。これをソフトバンク三塁手の西田が捕球すると三塁を踏んで1アウト、二塁に送球して2アウト、一塁に転送されて3アウトを記録した。一瞬にして中日の攻撃は終了。2174人の観客席は一瞬静まり返ったのちに、拍手が沸き起こった。

 三重殺打を打った伊藤康祐は、17年ドラフト5位で中日に入団したルーキー。記録上は三重殺打はなく、伊藤には併殺打が記録されている。

 ウエスタン・リーグの記録は公表されていないが、2016年9月21日、同じナゴヤ球場での広島戦では中日がトリプルプレーを達成している。

 1軍ではトリプルプレーは170回(1リーグ時代27回、セ・リーグ60回、パ・リーグ83回)記録されているが、セ・リーグは2010年10月2日・横浜戦の3回に巨人が、パ・リーグでは2014年4月22日・日本ハム戦の3回にソフトバンクが記録して以来、出ていない。極めて珍しい記録だと言える。

 中日2軍は1-12、0-7でソフトバンクに完敗。しかし、この2試合の観戦に訪れたファンは、滅多に見られない記録を立て続けに見ることができて、損をすることはなかったのではないだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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