ハム有原がベテラン鶴岡との初コンビで新境地「自分なりに感じたことある」

日本ハム・有原航平【写真:石川加奈子】
日本ハム・有原航平【写真:石川加奈子】

栗山監督は大きな信頼「絶対的なピッチャーだと思っている」

 日本ハムの有原航平投手が19日、本拠地での楽天戦に先発。打線の援護がなく、7回途中8安打5失点で負け投手になった。

 初めてバッテリーを組んだベテラン・鶴岡慎也捕手とのコンビで、新境地を切り開いた。奪った三振は、プロ入り4年目で初の2桁となる12個。150キロを超える直球に加え、フォークが冴えた。圧巻は6回1死一、三塁のピンチ。内田、聖沢と2者連連続で3球三振に仕留めた。

 試合後に有原は「勝てないと、三振を何個取っても意味がないので」と厳しい表情を見せた。ただ、新たな発見があったのは事実だ。「フォークなど変化球を使うタイミングがいつもと違いました。自分なりに感じたことがあったので、次回の登板に生かしたいです」とうなずいた。

 悔やまれるのは、先制点を許したことと7回に粘りきれなかったこと。2回にはウィーラーを四球で歩かせた後、内田に先制2ランを浴びた。7回には2安打と味方の失策で1点を失い、なおも2死二塁の場面でペゲーロに四球を与え、オコエにダメ押しの2点滴時三塁打を許した。

 球数は120球を越えていたが「何が何でも抑えないといけないところだった」と有原は言い訳することなく、自分を責めた。吉井理人投手コーチも「よく頑張っていた。ただ、エースになるには7回を投げきってほしかった」と、もうひと踏ん張りを求めた。

 有原をリードした鶴岡は、内田に先制2ランを浴びた場面の配球を悔やんだ。「不用意だった。タイミングの合っていなかった変化球でいっても良かったかなと。有原の調子は悪くなかったと思う。勝ちをつけてあげられなかった」と肩を落とした。

 今季ソフトバンクからFAで出戻り移籍したベテラン捕手は、入団前から有原の力を高く評価していた。有原が右肩痛で出遅れたため、鶴岡が有原のボールを受けるのはこの日が初めて。お互い手探りながら「フォークが良くて、その意識は共通した」と三振の山を築いた。「球自体はさすがだった。ピンチで三振を取る球もある」と、鶴岡はあらためて太鼓判を押した。

 この日の試合前、栗山英樹監督は有原について「絶対的なピッチャーだと思っている。投げる試合を全部0に抑えてくれると思って送り出している」と話していた。その高い能力からすれば、2桁奪三振は驚くべきことではないのかもしれない。真のエースへの脱皮をチームの誰もが待ち望んでいる。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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