ホークス投手陣火の車 倉野C「非常事態」「10年やって初めて」

ソフトバンク・倉野コーチと選手たち【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・倉野コーチと選手たち【写真:藤浦一都】

29日に中継ぎ要員で寺原の昇格も決定

 ソフトバンクは28日、関西への移動を前に先発投手陣がヤフオクドームで練習を行った。この合間に倉野信次投手統括コーチが報道陣に対応。故障者続出に苦しむ投手陣の現状を語った。

 勝率5割で交流戦を迎えることになったソフトバンク。しかし、投手陣は先発陣、ブルペン陣ともに火の車状態だ。交流戦の初戦となる29日の阪神戦(甲子園)は、27日の投球練習でマメを潰した千賀滉大に代わって岡本健が先発する。

 倉野コーチは岡本について「安定感が出てきている。長いイニングは求めていないので、中継ぎの一番手として投げてくれたら。結果が良ければ、僕個人としてはいけるところまでいってほしいが、そこは監督の考えもあることなので。どちらにしても『長いイニングを投げる感覚でいかないように』とは伝えてある」とした。6連戦の頭の先発に対して「長いイニングは求めていない」と言わざるを得ない状況に、倉野コーチも「そこは緊急事態なので…」と頭を抱えた末の起用決断となることが伺える。

 当初、千賀を29日に先発させる目途を立てていたが「それがダメな場合のプランも2、3通り準備していた」。しかし「そのプランが全部ダメになった。こんなことは10年コーチをやっていて初めて。そうそうあることじゃない。それくらいの非常事態」だという。倉野コーチは29日から寺原隼人を「中継ぎ要員として」昇格させることを明言したが、金曜日に先発してきた東浜巨も右肩の不調で登録抹消となっており週2つのカード頭の先発を欠く状況だ。

 倉野コーチは22日に今季初勝利を挙げた攝津正について「今週(の登板)はない」としており、金曜日の先発も混とんとしている。27日には和田毅の状況について「一歩後退した」と語っており、6連戦が3週間続く交流戦での投手のやりくりには苦労しそうだ。「僕たち(首脳陣)の立場からすると非常事態でも、選手にとっては大きなチャンスととらえてほしい」と、昨年の石川柊太のように交流戦を機に救世主となる存在が生まれることを期待していた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY