メジャーで前代未聞の曲芸“打ち直し” 1度のスイングでファウル→フェア

アストロズのマーウィン・ゴンザレス【写真:Getty Images】
アストロズのマーウィン・ゴンザレス【写真:Getty Images】

垂直に跳ね上がったファウルをフォロースルーで“ヒット”

 野球では同じプレーは1つとしてないと言うが、このビックリ仰天スイングは唯一無二のプレーかもしれない。28日(日本時間29日)に敵地ヤンキースタジアムでの一戦で、アストロズのマーウィン・ゴンザレスが1度のスイングでボールを“2度打ち”。ファウルのちフェアを生んだ究極の曲芸スイングが話題を呼んでいる。

 あっという間の“打ち直し”だった。アストロズの4点リードで迎えた6回2死走者なしの場面で打席に立ったのは、昨季キャリアハイの活躍でワールドシリーズ優勝に貢献したゴンザレスだった。ヤンキース先発ヘルマンがフルカウントから投じた6球目スライダーをフルスイング。バットの下をかすったボールは、ゴンザレスの右足付近でバウンドすると、地面と垂直に高く跳ね上がった。このファウルボールを見事捉えたのが、体に巻き付くような大きなフォロースルーの軌道を取ったゴンザレスのバット。なんと、一振りで同じボールを2度打つという珍事が発生した。

 さらに、1度はファウルとなった打球は、2度目の“バックスイング”でフェアゾーンへ逆戻りする究極の“打ち直し”となった。球審はすぐさまファウルを宣告したが、打席のゴンザレスは「カモ~ン!」とばかりに左手を挙げてフェアをアピール。もちろん、そんなアピールが認められる訳もなく仕切り直し。だが、ここで意地を見せたゴンザレスは、本当の打ち直しとなった7球目を見事、右翼へ二塁打とした。

 MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」でも、この曲芸スイングを特集。「誰もが夢見る2度目のチャンスを手に入れた」ゴンザレスが「2度目に驚くほどいいコンタクトをした」と絶賛したが、「残念ながらルール上アウトになった」と、前代未聞の“2度打ち”惜しんだ。

 MLB公式が運営する「MLB GIFS」のツイッターでは、2度と見られないかもしれない驚愕スイングの動画を公開。「スポーツ界で最も難しいことは、野球のボールを打つことだという」という言葉を添えると、「プロでない限り、野球のボールを打つことは一番難しい」とファンが反応。さらに「テッド・ウィリアムスがそう言ってたね」「上手いこと言うな」「一体何が起きたっていうんだ」という声も寄せられた。

 想像を超えるプレーが生まれることこそが、野球やスポーツの醍醐味なのかもしれない。

【動画】1度のスイングでボールを“2度打ち”…ゴンザレスによる究極の曲芸スイング

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