パ・リーグが交流戦通算1000勝達成 13年の激闘を振り返る名場面集(後編)

2016年には日本ハム・大谷が163キロを計測

【2016年】
〇6月5日 巨人-北海道日本ハム(東京ドーム)2-6
「163キロ」の衝撃に場内がどよめいた。プロ野球史上最速のスピードを記録したのは、北海道日本ハムの大谷翔平選手。国内では前代未聞の球速に、敵も味方も関係なく驚嘆の色が広がる。4回1死満塁の場面でクルーズ氏(巨人)に投じた史上最速のボールはファウルにされたが、ピンチを併殺で切り抜けて10奪三振2失点の完投勝利を記録した。同年の秋には、この日に勝る衝撃がもたらされることになる。

【2017年】
〇6月3日 中日-楽天(ナゴヤドーム)1-5
中日の荒木雅博選手が史上48人目となる通算2000安打に到達した。レギュラー獲得までは時間を要したが、足掛け22年のプロ生活で積み重ねた末の偉業だ。高卒ドラフト1位指名選手としては史上4人目で、通算33本塁打は達成者で最少。記録を作った一打は、止めたバットに当たったボールが逆方向のライト前へポトリと落ちる単打だった。

〇6月8日 楽天-横浜DeNA(コボパーク)2-6
10→10→12→12→12→10→12→12。楽天イーグルス・則本昂大投手は4月19日から始まった連続2桁奪三振記録を、この試合で日本新の8試合まで伸ばした。それまでの最長は1991年に近鉄の野茂英雄氏が記録した6試合。6月1日の横浜DeNA戦でプロ野球記録を打ち立てていた則本投手は4年連続で奪三振のタイトルを獲得し、こちらは野茂氏(90年?93年に奪三振王)と並んだ。今季もリーグトップを快走しており、順調であれば杜の都のKマシーンが今季、もうひとつの「史上最長」を手にすることになる。

〇6月9日 オリックス-中日(京セラドーム)4x-2
来日してから昇格後初の試合で、オリックス・バファローズのマレーロ選手が持ち前のパワーを発揮した。1点ビハインドの場面で走者を1塁に置き、放った打球はフェンスオーバー。逆転の2ランになったかと思われたが…。ダイヤモンドを一周したもののホームベースを踏んでおらず、記録は三塁打となる。試合は延長戦に突入し、10回に相棒のロメロ選手が放った2ランで決着した。この試合での踏み忘れがなければ、9月29日に放ったプロ野球通算10万本目のアーチは節目の記録とはならなかった。

〇6月14日 巨人-福岡ソフトバンク(東京ドーム)3-0
巨人に移籍した山口俊投手が、新天地デビュー戦で6回を投げて無安打無得点の好投。マシソン投手、カミネロ投手が救援し、豪腕リレーで福岡ソフトバンク打線を封じ込めて継投ノーヒッターが完成した。継投によるノーヒットノーランはセ・リーグ史上初、プロ野球史上4度目の希少な記録。故障もあって出遅れていた山口投手は、お立ち台で涙を流した。

(「パ・リーグ インサイト」藤原彬)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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