大谷の靭帯損傷「グレード2」とは? 「打者で出場、投手でリハビリ」も可能か
「投手として復帰に向け取り組みながら、打者として出場することができる」?
特集ではさらに、昨年10月の時点で軽度の靭帯損傷が見つかり、「予防」のためPRP治療を受けていた大谷の肘が、「より深刻な内側側副靱帯の損傷に悪化するリスクの高さを示していたか?」を分析。ここでは「示していた」と断言し、「靭帯への損傷があれば、更なる怪我のリスクは高くなる」としている。ただ、大谷にはその懸念を上回る魅力があったというのだ。
その上で「オオタニは投打の能力を持つという点で異例である。利き腕の肘に損傷を抱えていたとしても、怪我が起こりそうだという兆候があったとしても、これまで以上にチームはスター候補の投手を求めている」と解説。トミー・ジョン手術を受けることになっても、その後に手術前と同レベル以上の投球をできるようになる投手が比較的増えていることが理由だという。
そして、最後の疑問が、大谷が肘に損傷を抱えたままでも打者としては出場できるのかという点。これについて、ESPNでは「もしオオタニが今季もう投げられないとしたら、打者としては出場できるかもしれない」と分析している。当然、それは手術を受けないということが前提。シーズン終了後に手術を受ければ、投手としての復帰が再来年にずれ込む可能性があるだけに、その決断は早くなくてはならないことにも触れている。
一方で、打者としての出場だけを考えれば、シーズン後に手術を受けても復帰が早まる可能性があるという。「野手はトミー・ジョン手術後に、投手よりも早く手術前のレベルに戻れる」といい、記事では野手の方が肘への負担が少ないとも指摘。「オオタニは投手として復帰に向け取り組みながら、打者として出場することができるのだろうか? 手術を受けることになったら、少なくともこうしたことはエンゼルスにとって興味深い選択肢となるだろう」と伝えている。
二刀流という唯一無二の道を進む大谷だけに、復帰までの過程も新たな形を進む可能性はある。手術を受けても受けなくても、打者として試合に出場しながら、投手としてリハビリを進めるという選択肢は当然、浮上してくるだろう。ただ、慎重さは間違いなく必要なだけに、エンゼルスがどう考えるか。いずれにしても、大谷が負傷前と変わらぬ姿で戻ってくることを多くの人が願っていることは確かだ。
大谷を慎重に起用してきたマイク・ソーシア監督はショックを隠せず、「重要な選手を2名失うようなこと」「ここまでのマウンドでの働きはとてもスペシャルだし、我々にとって重要だ。打席では重要な左打者でもある」などと話した。プレーオフ進出を目指すエンゼルスにとってはあまりにも大きな痛手。二刀流右腕の早期復帰を願いながら、勝利を重ねていくしかない。
(Full-Count編集部)