日本人唯一の“生き残り”平野佳寿 指揮官が語る上原浩治との共通点とは…

ロブロ監督が考えるリリーバーに一番必要な資質とは…

「2人とも基本的にはスプリットと速球の2球種で勝負する。メジャーではあまり見ないタイプだね。経験とピンポイントの制球という面では、コウジに一日の長があると言えるだろう。それでも、ヨシが投げるスプリットの方が真っ直ぐストンと大きく落ちるし、速球も94、95マイル(約151、153キロ)に達する。日本を代表するクローザーだった経験に加え、メジャーでの経験が加わればコウジに並ぶ、あるいは凌ぐ存在になるかもしれない」

 投球スタイルだけではなく、メンタル面でも2人に共通点を見出しているようだ。

「2人とも見事なくらいに気持ちの切り替えが早い。これはリリーバーに一番必要な資質である一方で、ちょっとやそっとの精神では成し得ないこと。すごく気持ちが強いんだと思う。たとえ今日失点したとしても、翌日まで引きずらない。もちろん、自分の頭の中では『あの球をもっとこう投げていれば』とか『次回はこう投げよう』という悔いや反省はあるだろう。だけど、それを表に出さず、短期間で消化して次に進める。この精神力の強さは大したものだ」

 2011年以来の地区優勝、そして2001年以来のワールドシリーズ制覇を狙うダイヤモンドバックスは、現在ナ・リーグ西地区トップを走る。「まずは目の前の試合に集中し、1勝を手に入れること」と堅実な姿勢を崩さないロブロ監督だが、10月から始まるプレーオフまでしっかりと視野に入れている。ブルペンの働きが世界一へのカギと言われる近年。優勝に向けての重要なピースとして、平野が「0」を並べ続ける。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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