史上初の珍事も ヤクルト交流戦VでもMVP選ばれず、賞金も2位が上?
現状のままであれば、ヤクルトVも、MVPはオリックスから
それが、今季はこれまでに無かった“珍事”が起きるかもしれないのだ。ここまで交流戦首位はセ・リーグのヤクルトだが、勝ち越しているのはパ・リーグだ。このまま決着となった場合、交流戦MVPはヤクルトからは選ばれない。
2015年から「交流戦MVP」は勝ち越しリーグの勝率1位球団から選出すると定められている。現状の順位に照らし合わせると、ヤクルトからではなく、2位のオリックス、例えば吉田正尚や金子千尋、山本由伸、増井浩俊らから選ばれることになるのだ。
さらには各球団に与えられる賞金額にも“ねじれ”が生まれる。このままいくと、ヤクルトに贈られるのは勝率1位チームへの賞金500万円。だが、2位のオリックスは勝ち越しリーグの勝率1位球団として1000万円を、3位の西武にはヤクルトと同額の500万円を得ることになる。2014年までは優勝チームに3000万円だったが、2015年から変更された。
NPBはセ・パのリーグ間の争いを演出したいようだが、ファンや選手にとっては贔屓の球団が勝ち、同一リーグの他球団が全て負けることがペナントレースを戦う上で“最もオイシイ”展開。同一リーグの球団が勝てば勝つほど、順位に与える影響が小さくなってしまう。その思惑とは裏腹に、ファンにとってはリーグ間の争いはさほど重要ではないのが実状でもある。
勝率1位球団になっても、MVPは選ばれずに、賞金額も2位より低額…。そうなれば、なんともスッキリしない結末となってしまうだろう。