ロッテ・ボルシンガー、夫人から「何回投げるの?」に…来日初完封で“満点快投”

ロッテのマイク・ボルシンガー【写真:細野能功】
ロッテのマイク・ボルシンガー【写真:細野能功】

巨人打線を圧倒、初回に味方の野選でピンチも動じず「それが野球」

■ロッテ 1-0 巨人(16日・ZOZOマリン)

 ロッテの新外国人投手、マイク・ボルシンガーが16日の巨人戦で先発。初回の内野ゴロで挙げた1点を守り切り、来日初完投初完封で5月4日の日本ハム戦から7連勝とした。ハーラートップタイに並ぶ8勝目。9回112球4安打で7三振を奪い、巨人打線を完全に沈黙させた。

 初回、先頭・坂本の中前ポテンヒットは完全に打ち取った当たり。内外野の声の連携がまずかった。続く2番・田中俊の遊ゴロは藤岡裕が間に合わない二塁に投げる野選で無死一、二塁。クリーンアップを迎え、いきなりの大ピンチ。集中が切れてもおかしくない状況だった。

 しかし、「それが野球。(今までの)連勝は打者が打ってくれたから。それと田村のリードのおかげもある。ジャイアンツはビックイニングをつくる打線だが、あの回を乗り切れてよかった」と、一発を警戒した陽を128キロのスライダーで空振り三振。岡本を初球の141キロで右飛に打ち取り、最も警戒した阿部を得意のナックルカーブで見逃し三振。1点も許さなかった。

「ゼロで抑えられれば最高だが、取られても最小失点で抑えれば、あとは味方が打ってくれると思って(慎重に)投げた」とボルシンガー。2回以降はナックルカーブの残像を要所で見せて、MAX143キロの速球を内外角に効果的に使って、緩急は抜群だった。

 3回から6回まで4イニング連続3者凡退。5番の阿部は9回2死から右前打を許したが、初回、4回と2打席連続三振。4番の岡本は初回の右飛を除き全て内野ゴロで4打席無安打と計算通りのピッチングを見せた。

 完封は2A、3Aで2度ずつあるという。出産間近のローレン夫人から「今日は何回投げるの」と聞かれたというが、9イニング完封の“満点快投”。日本で出産予定で、待望の第一子となる男児が誕生するという。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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