ホークス長谷川が“怒りのタイムリー”でサヨナラ演出「俺の貴重な打席を…」

ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】

「一生懸命走りました」とホームへ激走

■ソフトバンク 6-5 ロッテ(29日・ヤフオクドーム)

 29日、ソフトバンクは上林誠知の劇的なサヨナラ打でロッテに勝利したが、そのお膳立てをしたのが打撃職人・長谷川勇也外野手だ。9回2死から放った1点差に迫る貴重なタイムリーは、前の打席の判定に対する怒りから生まれたという。

 2点を追う9回裏、ソフトバンクは無死一、二塁の好機を迎えたが、甲斐拓也のバントが併殺打となり2死二塁に。チャンスが大きくしぼんだ中で、長谷川にこの日2度目の打席が回ってきた。長谷川は1ボールから2球目インハイの球を振り抜くと、打球は一塁手の頭を超えてライト前に弾んだ。二塁走者・松田宣浩がホームを踏んで1点差。その直後、上林が左中間を破り、長谷川は懸命に走ってサヨナラのホームに滑り込んだ。

 長谷川は8回裏に川瀬晃の代打として登場。ロッテ2番手・益田直也のシンカーで空振り三振と判定されたが、長谷川は「バットに当たっている」と懸命にファウルをアピール。結局、球審の空振りという判定は覆ることはなかった。試合後の長谷川は8回の三振について「判定は判定なのでしょうがない」と語りながらも納得はできず。「俺の貴重な打席を…と思って」9回の打席を迎えたという。その怒りがモチベーションとなり、貴重なタイムリーにつながった。

 長谷川は「いや、判定は判定ですから」と何度も繰り返し、あくまでも自分自身の中だけに秘めた怒りであったことを強調した。それもまたベテランならではのモチベーションの持ち方なのかもしれない。

 オフに再手術した右足首は決して万全ではない。それでも上林の一打で激走を見せた。「あそこは何とかホームにたどり着くように一生懸命走りました。ホームに帰れば終わりなので、一目散に走ることしか考えていなかった」という。試合後は右足首にしっかりとアイシングを施していたが、駐車場までの足取りは軽快だった。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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