走攻守三拍子揃った女子野球界のイチロー 侍J女子代表の三浦が持つ気構え

「コミュニケーションが大事」若手と繰り広げる野球談義

 最多盗塁のタイトルも12年に初めて獲得してから昨季まで誰にも譲っていない。50メートル6秒70の俊足に加え、スライディング技術や状況判断も世界トップクラスだ。

 今季も好調で、打率.462、安打32、盗塁18、出塁率.517、長打率.615は、いずれもリーグトップ。打率4割台、出塁率5割台がただ1人なら、盗塁は2位に8個差と他の追随を許さない活躍を見せている。

 円熟味を増して迎える自身4度目のワールドカップ。これまでとは立場も気構えも違う。「一昨年は遠慮していた部分がありましたが、今回は若い子たちよりも経験しているし、世界大会の怖さも知っているので、それを伝えなければいけないと思っています。日本はこれまでチーム力で勝ってきました。コミュニケーションが大事。年下の選手から年上の選手には話しかけにくいと思うので、自分から行くようにしています」。代表選考を兼ねた2月の宮崎合宿でそう話した通り、若手に積極的に声を掛け、事あるごとに野球談義を繰り広げている。

 過去の経験からワールドカップでは、まず先取点奪取に全力を注ぐ。「初回に1点取ること。1打席目に集中したいです」と言葉に力を込める。走攻守全てで中心を担う三浦のプレーに注目だ。

◆三浦伊織(みうら・いおり)1992年3月11日生まれ。愛知県一宮市出身。椙山女学園高時代はテニスに所属し、インターハイ出場。塩野義製薬ではソフトボール選手だった。2010年から女子プロ野球選手として活躍し、MVP(14年)、首位打者(12、14年)、最多盗塁(12?17年)など多数のタイトルを獲得している。今回は12、14、16年に続く4度目の代表入り。京都フローラ所属。160センチ。左投げ左打ち。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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