苦節マイナー12年のエ軍新人捕手が64年ぶりMLB新記録「毎日が最後の試合」

エンゼルスのフランシスコ・アルシア【写真:Getty Images】
エンゼルスのフランシスコ・アルシア【写真:Getty Images】

デビュー2戦で合計10打点、1954年カニンガムの8打点を超える

 エンゼルスの新人捕手フランシスコ・アルシア捕手が28日(日本時間29日)、本拠地マリナーズ戦でメジャー新記録を樹立した。デビュー戦となった前日27日(同28日)には1号3ランを含む4打点、この日は2号3ランを含む6打点の活躍で、デビューから2戦で合計10打点をマーク。これは1954年に当時カージナルスだったジョー・カニンガムが記録した9打点を超えるメジャー新記録となった。

 マイナーで12年積み上げた努力が実を結んだ。正捕手だったマルドナドの電撃トレードに伴い、26日(同27日)にメジャー初昇格。2打数4打点だったデビュー戦に続き、この日は同じベネズエラが誇るサイ・ヤング賞投手ヘルナンデスから二塁打を放つなど打席で大暴れ。試合後は「家族のためにとてもハッピーだ」と笑顔を浮かべた。

 これまでメジャーデビューから最速で10打点に達したのは、2016年のトレバー・ストーリー(ロッキーズ)で4試合だった。デビューから2戦連続で4打点以上を挙げたのは、前述のカニンガム以来メジャー史上2人目。デビュー2戦でそれぞれ本塁打を放ったのは、エンゼルスの球団史上では初の快挙だ。

 球史に残る活躍をしてもなお、28歳の遅咲きルーキーは「毎日、これが最後の試合だと思って、エンゼルスがくれたチャンスを生かしていきたい」と謙虚に話した。マスクをかぶっても、投手陣を上手にリードし、チーム4連勝に貢献した。マルドナドの移籍で衝撃の走ったエンゼルスだったが、早くも頼れる代役が見つかったようだ。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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