完投数12球団断トツの巨人 菅野&山口の頑張りを勝利に結びつけられるか?

巨人は救援陣の台所事情も完投数増加の要因?

 2011年にパの完投率が12.4%と跳ね上がったのは、田中将大(楽天)が14完投、ダルビッシュ有(日本ハム)が10完投したからだ。このように特定の投手の頑張りで一時的に数字が上昇することもあるが、全体として完投率は依然として減少する傾向にある。

 しかし今年の巨人は、山口俊が6完投、菅野智之が5完投、田口麗斗が1完投ですでに12完投。セ・リーグ全体の4割を占めている。完投率は12.9%に達する。このペースで完投数が増えれば、シーズン最終では18完投になる。シーズン18完投はパのチームでは近年も見られるが、セでは2006年の中日(19完投)、阪神(18完投)以来だ。

 今季、巨人の完投率が上昇したのは、山口俊が復調し、菅野との2本柱になっていることが大きいが、同時に救援陣に故障が相次ぎ、人材難になっていることも原因とも言える。多少、球数が嵩んでも、救援投手の台所事情から完投させるケースが増えている。

 しかし完投数が増えれば球数も増える。菅野、山口ともに今季はシーズン3000球に迫るだろう。翌年以降に疲労が蓄積する恐れもある。

 巨人は先発の2人が頑張り、打線も増強しているのに首位広島から10ゲーム離された3位だ。ペナントレースが激しくなる中、巨人は先発投手の活躍を勝利に結びつけることができるだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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