トレードはビジネスだけにあらず? 病床の母のため…人情味溢れる移籍劇も

アスレチックスのスティーブン・ピスコッティ【写真:Getty Images】
アスレチックスのスティーブン・ピスコッティ【写真:Getty Images】

メジャーリーガーも人間 常にビジネスの駒ではない

 MLBのトレードが活発するオールスターを終えた頃の時期、選手の価値が株価のように変動して明暗が別れた各チームが売り手または買い手となって選手達を見定めていく。

 こんなビジネスの匂いがプンプンするメジャーリーグのトレード事情だが、そのイメージだけをお持ちのファンも多いかもしれない。確かに多くはビジネスという言葉で片付けられて、選手やその家族は巻き込まれる形で今日明日にでも住む場所が変わってしまうことが日常茶飯事だ。

 その実態を選手達も理解しており、これはビジネスだから仕方がないと思っている。実際にこういう状況を作ってしまったのは自分たちの責任だという発言は良く耳にする。

 銀行員でもサラリーマンでも“転勤”という言葉で異動を命じられる事があるため、そう特別な事ではないかもしれないが、メジャーリーガー達はその移籍を常に噂され、揶揄され、常日頃世間から評価を受け続けて審判が下されるような形となっている。そういう意味ではやはり精神的なタフさがないとやっていく事ができない職業だ。

 そんなメジャーリーガー達は常にビジネスの駒として考えられているのかと言えば、必ずしもそういうわけではない。中には人情味溢れるトレードもいくつかあった。ファンの方々なら思い出深いトレードが多数あるかもしれないが、ここでも紹介していきたい。

病身の母の住む地元チームにトレードされたビスコッティ

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