なぜ気づかず? 鈴木が「カウント4-2」から凡退、広島と審判団の証言は…

広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】
広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

4ボールから二ゴロの鈴木は「僕が悪いのかな」、緒方監督は「ベンチの責任」

■広島 3-2 中日(9日・マツダスタジアム)

 9日の広島-中日戦で、カウント「4ボール2ストライク」になるという珍プレーがあった。

 広島の3回の攻撃。1死走者なしで打席に入った鈴木誠也外野手はファウル、見逃しで2ストライクと追い込まれた後、ボール、ボール、ファウル、ファウル、ボールでフルカウントに。8球目も低めに外れたボールで四球となるところをプレーは続行され、ファウルの後、10球目で二ゴロに倒れた。

 この一連のプレーを審判団や広島ベンチなど、周囲が気づかず、そのまま試合は進行した。中日ベンチは気がついていた、という話もあるが、結果は二ゴロ。試合後の鈴木は「僕が悪いのかな」と困惑していたものの、「集中していたので、気付かなかったということもある。打席の途中でカウントの掲示板を見たら2-2で、あれ、まだこのカウントか、とは思ったけど。チームが勝ったので、まあいいです」と最後に笑った。

 このプレーに関して、津川球審は「自分の勘違いです。その後のグラウンド整備の時に、人に言われて気づいた」と申し訳なさそうに話した。責任審判の森一塁塁審は「結果的に審判団の誰も気がつかなかった。規則上は我々のミス」と非を認め、「記録上はカウント4ボール2ストライクからのセカンドゴロになる。球審だけの責任ではない。みんなでしっかり見ないといけない」と反省した。

 試合後の会見の最後に、このプレーについて聞かれた緒方監督は「やっぱりフォアボールだったんだろ」と記者に確認した後、「ベンチの大きな責任です。すみません」と頭を下げていた。

 勝敗には関係せず、珍プレーとして終わったが、鈴木はセ・リーグ4位の打率.322。トップの巨人坂本を6厘差で追っている。自身初タイトルがかかっているだけに、「あの一打席が……」とならないことを祈りたい。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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