元阪神・藪氏が見る準決勝 大阪桐蔭と済美の勝敗を分けたのは「バントの差」

金足農との決勝はロースコア予想、どちらが優勝しても「3-2だと思います」

 その山口は136球の力投で2番・青地斗舞を1安打、3番・中川卓也を無安打、4番・藤原恭大を1安打1四球とし、ほとんど仕事をさせなかったが、大阪桐蔭打線は他の打者が奮起。この日は1番・宮崎仁斗が3安打、5番・根尾昂が2安打1四球、7番・石川瑞貴は2安打1犠打の活躍で、攻撃の起点となった。初戦後に「6、7人はプロ入りすると思う」と話していた藪氏だが、改めて「打線に穴がないですね」と舌を巻く。

「今日の大阪桐蔭はラッキーなヒットが多かった印象もあるでしょうが、みんなバットをしっかり振り切れているから、詰まった打球でも守備の間を抜けたり、内野手の頭を越えたりするんですよね。果たして、これだけバットを振れている打線が、決勝ではどんな戦いになるのか、楽しみですね」

 21日に行われる決勝では、甲子園で大旋風を巻き起こしている金足農(秋田)と対戦。今大会を1人で投げきっているプロ注目の剛腕・吉田輝星に挑む。「いいカードになりました。楽しみですね」と声を弾ませる藪氏は、決勝はどちらが優勝しても「3-2だと思います」と予測する。

「金足農の吉田君は防御率2.00、そして大阪桐蔭のチーム防御率は1.80。ロースコアの戦いになることは間違いないでしょう。吉田君と根尾君の投げ合いになりそうですが、大阪桐蔭は今日、根尾君を温存できたことは強みですよね。吉田君はここまで5戦で749球を投げていて、さらに連投ですから。選手のことを考えるなら、決勝の前にも1日休養日を入れてあげたいところです。

 大阪桐蔭の強みはもう1つ、2番から5番まで好打者が全部左打者という点です。日大三の河村君のような左腕には手こずったかもしれませんが、右腕には強い印象があります。ただし、金足農の打線にも粘りがある。まったく侮れません。防御率を見れば、両チームとも2点を取るチャンスがある。だからこそ、いかに3点目を取るか。そこが勝負の分かれ目になりそうです」

 大阪桐蔭が史上初2度目の春夏連覇を果たすのか。金足農が悲願の東北勢初優勝を飾るのか。注目の決勝は21日午後2時から始まる。

(Full-Count編集部)

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