「ミサイル打線」の名脇役・八田正氏を振り返る 大毎、阪急などで活躍

通算成績は1549試合4373打数1148安打56本塁打360打点117盗塁、打率.263

 当時のNPBには10年選手制度があった。10年間主力選手として活躍した選手は球団からボーナスを受け取るか、自由に移籍することができる権利を有した。今のFAに近い制度といえる。八田は1967年オフに10年選手になったが、球団がボーナスの支払いを拒否したため、1968年に阪急ブレーブスに移籍。10年選手制度は1964年の金田正一を最後に適用された選手がおらず、有名無実化していた(1975年に廃止)。

 移籍後は代打が多かったが、古巣のオリオンズ(当時ロッテ・オリオンズ)に強く、オリオンズ戦だけはスタメン起用されることも多かった。

 1971年限りで引退。通算成績は1549試合4373打数1148安打56本塁打360打点117盗塁、打率.263。地味な存在だったために、オールスター戦には一度も選出されていない。1000本安打以上打って、球宴に一度も出ていない選手は13人いるが、安打数でいえば、八田はレオン・リー(1436安打)、佐野仙好(1316安打)後藤光尊(1265安打)河野旭輝(1213安打)についで5位に当たる。引退後は阪急、オリックスでスコアラー、編成として活躍した。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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