「飲み物が与える力」に魅了されビールメーカーへ就職 会話重視のまなみさん

「ペナントレース」に出場しているからこそ、売上げ杯数に走らず会話を大切に…

 試行錯誤を繰り返しながら、チアで身につけた元気と笑顔を生かした自分なりの売り方が定着してきたのが2年目のこと。ちょうどその頃、うれしい出来事があった。

「2016年の6月にベストクルーとして表彰されたんです。その理由が売り方と雰囲気だって言われて、売上げ杯数以外で認めてもらえたのがうれしかったですね。売上げ杯数以外、売り方や雰囲気で元気を与えられているっていうのを、しっかり他の方に評価していただけたんだって」

 売り子をしながらファンとのコミュニケーションを通じて「飲み物が与える空間だったり、楽しみだったりを見て、飲み物が与える力はスゴイと思いました」と目を輝かせるまなみさんは、来年4月からビールメーカーに就職することに。見事、4年間の経験を未来につないだ。

「本当に夢中になれた。一生涯残る経験」という売り子の仕事も、残すところ1か月半。売り子ペナントレースは大詰めを迎えているが、だからこそ大切にしたいことがあるという。

「ペナントレースに出ているからこそ、売上げ杯数に走るんじゃなくて、しっかりお客さんとの会話を大切にしたいですね。やっぱり球場に来たからには楽しんでもらう必要がある。野球だけじゃなくて、私たちとの会話から与えられる小さな喜びもあると思うんです。私たちが生める価値もあると思うので、そこを常に意識しながら、そして大切にしながら集大成としていきたいですね」

 そしてもう1つ、残り1か月半で楽しみにしていることがある。それが福浦和也内野手の2000安打達成だ。9月は札幌ドーム、メットライフドームまで“遠征”に出掛けるが、「あわよくばマリンで!」と期待する。

「2000安打が楽しみです。私、福浦選手が一番好きなので。ロッテ一筋でやり続ける姿や、ベテランでも試合に出で前を向き続ける姿を見ると感銘を受けます。気になり始めたきっかけは、福浦選手の名前がコールされるとスタンドがウワァーって大盛り上がりして『そんなにすごい選手なんだ……』って思ったことでした。でも今では私も、誰とも違うすごい選手なんだって思います!」

 4年間で築き上げたファンとの絆を大切にしながら、そして球史に残る偉業達成の瞬間を心待ちにしながら、ラストスパートをかける。

(Full-Count編集部)

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