大谷対策で降板のバーランダー、悔しさ隠しきれずグラブ噛む「余力残っていた」

エンゼルスの大谷翔平とアストロズのジャスティン・バーランダー【写真:Getty Images】
エンゼルスの大谷翔平とアストロズのジャスティン・バーランダー【写真:Getty Images】

6回途中1失点と好投右腕に代わり、左腕を投入するが追加点献上

 2試合ぶりにスタメン出場した30日(日本時間31日)の敵地アストロズ戦で、エンゼルス大谷翔平投手は3打数1安打でチームの勝利に貢献した。この日の相手先発はサイ・ヤング賞右腕のジャスティン・バーランダー。大谷は第1打席、第2打席とアウトに仕留められていたが、アストロズのAJ・ヒンチ監督は6回の第3打席に“大谷対策”として好投のバーランダーを降板させて左腕シップを投入。降板したベテラン右腕が悔しさを露わにする采配だったが、大谷は四球を選び、この回一挙4得点につなげた。アストロズにとって“裏目”となった采配について、ヒンチ監督は「より適切なマッチアップだと思った」と“弁明”した。球団公式サイトが伝えている。

 1点を先制された6回1死一、二塁での大谷の第3打席。直前に99球で降板を告げられたバーランダーはマウンド上でグラブに噛み付き、悔しさを全身で表現した。この試合まで今季エンゼルス戦では4試合に投げ4勝0敗、防御率1.61。この日もお得意様を相手に11三振を奪いながら、3連打で1点を許した直後、大谷の打席で左腕シップにマウンドを譲った。

 だが、シップは大谷に四球で出塁を許すとそのまま降板。3番手ハリスが続くシモンズに適時二塁打を浴びるなど4点を失い、チームはそのまま2-5で敗れた。記事によれば、バーランダーは試合後に「今日はいいボールを投げていたと思うよ。先発投手としては、いつだってマウンドに留まりたい。まだ余力は残ってた」と悔しさを口にしたという。

 一方、ヒンチ監督は敗戦の潮目となったバーランダー交代策をこう説明したという。

「アップトンの打席で1点リードされた時、オオタニに対して左対左のマッチアップで挑もうと決断した。オオタニが短期間にJV(バーランダー)のボールを2、3回打ち返していたこともあって、我々はシップがこの場面でより適切なマッチアップだと思ったんだ」

 この試合では最初の2打席で凡退した大谷だが、25日(同26日)の本拠地アストロズ戦では剛腕バーランダーから豪快な2ランと二塁打を放っていた。指揮官は窮地を乗り切れると自信満々のバーランダーよりも、大谷と相性の悪い左腕投入にこだわった。

 今季9敗目(13勝)を喫したバーランダーは「自分にチャンスがあればよかったけれど、それが野球というもの。彼が監督だから。監督の決定が最終的なものなんだ」と最終的には監督の決断を尊重したという。9月にも3連戦を1度残している両チーム。是非とも、手に汗握るバーランダーVS大谷の続編を拝みたいところだ。

(Full-Count編集部)

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