山田哲人、史上初の「40-40」は可能か 山崎武司氏が見る“復活”の理由

現役時代、中日や楽天などでプレーした山崎武司氏【写真:岩本健吾】
現役時代、中日や楽天などでプレーした山崎武司氏【写真:岩本健吾】

今季の「40-40」は「大変な数字」も…「来年以降も本当にそれを目標にできる位置にいる」

 しかし、今季は十分に準備を整えてシーズンを迎えた。昨年との打撃の違いは明らかだという。

「見ていて思うのは、今年は打つときのフォロースルーが大きいということ。(昨年)フォロースルーがうまく出なかった理由は、軸足のタメが全くできなかったから。タメようとすると、今度は詰まるという症状が出て、どうしても早くピッチャーの方に向かっていってしまって、体が回らずにフォロースルーが取れないという状況で打っていた。それが今年は解消されてはいる。(打撃の)感覚は(オフに)休めば忘れるもの。ぼんやりと覚えているけど、また(キャンプで)やっていかないと打てないから。(今年は)そういうものをチェックしながらやったのが良かったと思う」

 キャンプからしっかりと下地を作ったことで、昨季の絶不調からは抜け出した。ただ、山崎氏は「まだまだ」という言葉を繰り返す。山田の実力からしたら、もっといい数字を出せるというのだ。

「俺は2年連続トリプルスリーを達成したときの哲人の方が凄かったと思うね。まだまだ本当の哲人じゃない。それでも、あんな数字を出せる。だから、まだまだ伸びしろというか、上積みがあるなと思って見ている。まだ、たまに脆さを見せるからね。一昨年あたりは脆さを全然見せなかった。まだまだ」

 シーズン開幕前、山崎氏は山田について、トリプルスリーに加えて3冠王も狙えるシーズンになると“予言”していた。今季は打率と打点については少し厳しい状況となっているが、山田ならいずれは達成してくれるという期待がある。そして、今季は3冠王よりも希少な“偉業”を成し遂げる可能性がある。日本球界史上初の「40-40」だ。

「やっぱり3冠王を獲りたい気持ちはあるだろうし、獲れるだけのポテンシャルは持っている。あとは『40-40』を哲人も1つの目標にしてるわけだから。十分行ける。現実味のない数字じゃない。彼ならトリプルスリーが普通だな、と思っちゃう(笑)。そうこっちも感じているわけだから。あと30試合くらい。なかなか大変な数字だけど、来年以降も本当にそれを目標にできる位置に彼はいることができる。当然、柳田(ソフトバンク)もそうだし。ひとまず、去年のあのどん底の山田哲人から脱出できたから、良かったんじゃないかなと思う」

 もし今年は届かなくても、山田が史上初の「40-40」プレーヤーとなる可能性は高い。山崎氏はそう見ている。

(Full-Count編集部)

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