チームで唯一の2年生奥川 先輩・吉田輝星が耳元で囁いた一言とは…

ベンチ戻る奥川恭伸(左)と奥川の耳元で囁く吉田輝星(中央)【写真:荒川祐史】
ベンチ戻る奥川恭伸(左)と奥川の耳元で囁く吉田輝星(中央)【写真:荒川祐史】

4回から2番手で登板した奥川、1安打許すも無失点でつなぐ

「第12回 BFA U18アジア選手権」が3日、宮崎市内で開幕した。大会史上初となる2大会連続優勝を狙う侍ジャパンU-18代表は香港代表と初戦を戦い、26-0の大差で圧勝した。打線が2回に爆発し、打者24人で13安打19得点を奪うと、投げては先発の野尻幸輝(木更津総合)、2番手の奥川恭伸(星稜)、3番手の市川悠太(明徳義塾)と無失点リレーで繋いだ。

 今大会に召集された侍ジャパンU-18代表では、金足農の吉田輝星や大阪桐蔭の藤原恭大、根尾昂、柿木蓮ら、報徳学園の小園海斗といったプロ注目のタレントが顔を揃えるが、その中でただ1人、2年生で選ばれたのが奥川だった。

 大量リードで迎えた4回、マウンドに上がった奥川。完全投球の野尻からバトンを受け取って、今大会初登板を果たした。先頭打者を空振り三振に仕留めると、続く打者は平凡な二ゴロに打ち取り、2死とした。だが、ここで3番のヤスダ・ユウシンに中前へと弾き返され、この日、日本が許した唯一の安打となった。

 続く打者を149キロの真っ直ぐで空振り三振に仕留めて無失点に封じたが、この回を終えてベンチに戻ると、ある先輩からキツイ一言が待っていた。その声の主は、吉田輝星だった。吉田から耳元で囁かれた一言を、試合後、奥川は苦笑いで明かした。

「『なにヒット打たれてるんだよ』って言われましたね。打たれたのは、しょうがないです」

 この日は出番がなくチームのサポートに回っていた吉田によるイジりの一言は、チームで唯一の“後輩”に対する愛情表現なのかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY