「1軍にずっといたい」…4年目で1軍デビュー果たしたロッテ右腕の決意
プロ初昇格を果たした岩下「しっかりアピールしないと」
「(1軍で投げられれば)最高ですけど、そこはスタッフが決めることなので、名前が挙がるように頑張ります」
1か月前に2軍でこう話していたロッテの岩下大輝投手は、今やリリーフ陣に欠かせない存在となっている。
「1軍にずっといたいですし、1軍でやるためにプロに入っているので、これを長く続けることが一番大事」。1軍という“戦場”を経験し、岩下の言葉からも自信、逞しさが出てきた。
7月21日に4年目でプロ初昇格を果たすと、24日のソフトバンク戦で出番がやってきた。プロ初登板は延長12回裏、10-9と1点リードの緊迫した場面でのマウンドとなった。初対戦の相手はかつてロッテで4番を打っていたデスパイネ、その後も内川、中村晃、松田と日本球界トップクラスの選手と対峙。1点を失ったが、何とかデビュー戦を終えた。
同29日の西武戦で本拠地・ZOZOマリンで初登板を果たし、1番・秋山から始まる好打順を3者凡退に片付ける。秋山からフォークでプロ初の三振を奪い、2番・源田の3球目に自己最速を更新する152キロを計測した。8月1日の日本ハム戦ではプロ初ホールドを挙げると、同点や勝ち試合などチームの勝利に直結する大事な場面で登板する機会も増えた。
「中継ぎをやっているピッチャーは誰もがそこ(勝ちパターン)を目指してやっているので、やらせてもらっている現状、ありがたいですし、今シーズンに限らず、場所をいただけるならしっかりやらなきゃいけないなと思います」と、首脳陣の期待に応えようと必死に腕を振っている。
緊迫した場面での登板が増えるにつれて、1球の怖さも知った。8月25日のオリックス戦では、5-1の7回からマウンドに上がったが、2本の安打で1死一、三塁とされると、中島に適時打を浴びた。宮崎を空振り三振に仕留め2死としたが、福田に適時打を浴びて降板。代わった田中もマレーロに2点二塁打を打たれ、岩下はこの日、プロ入り後自己ワーストとなる4失点を喫した。「先輩方に迷惑もかけましたし、自覚を持ってやらないといけない」と猛省した。
「1軍に上がった初めての年なので、しっかりアピールしていかないといけない立場。使ってもらっている以上、しっかり結果を出すだけです」。打たれた次の日も試合はやってくる。この失敗を次にどう生かしていくかが、1軍で長く活躍する上でも重要になっていきそうだ。