「思ったよりも丁寧だった」印象とは違った韓国に敗れ、日本が得た収穫とは
敗戦の中で吉田が掴んだ収穫とは…
韓国に見えた“丁寧さ”は、打者の根尾昂(大阪桐蔭)も感じていた。「力強いというか、バッター陣もしっかり振ってきますし、ピッチャー陣も結構丁寧に投げてくるので、そういう印象ですね」。先発のキム・キフンは、まさに“丁寧な”タイプの投球を見せた。左腕から繰り出すストレートは140キロ前後だったが、両コーナーを突く制球力で、チェンジアップとの緩急も上手く使っていた。力任せとは真逆の“技”の投球だった。
イメージと違う韓国に黒星を喫したが、このまま終わるわけにはいかない。吉田は、敗戦の中にも次の対戦に向けた収穫も掴んだようだ。
「インコースに思ったより弱かったので、ツーシームをうまく使って抑えられたのは大きかったと思います。初めて試合でフォークを投げたんですけど、そこでたくさん空振りを取れている。ツーシームとはまた違う球なので、そのフォークをうまく使いたい。あとはカーブを調子が良くなかったのもあるんですけど、使っていなかったので、ストレートとカーブの緩急があれば、ストレートにも振り遅れるようになると思う。次はそこを修正していきたい」
実戦で初めて解禁したというフォーク、この大会に向けて2種類に増やしたツーシーム、そしてインコース。この3点は、もし再戦が実現したら、鍵を握るポイントになりそうだ。
昨年9月に行われた「第28回 WBSC U-18ワールドカップ」でも、侍ジャパンU-18代表は韓国に苦杯を嘗めさせられた。スーパーラウンド最終戦で敗れ、決勝への道を絶たれている。その1年前を小園海斗(報徳学園)とともに経験している藤原恭大(大阪桐蔭)は「去年に比べれば、対抗できる」という。
「残り全部勝てば優勝できるので。負けてみんな落ち込んでいるけれど、今日の負けをプラスに捉えてやっていいきたい」と前を向いた藤原。韓国へリベンジするチャンスを掴むためにも、スーパーラウンドでの負けは許されない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)