“幕張の安打製造機”を生んだ恩師との二人三脚 ロッテ福浦の体に息づく日々

ロッテ・福浦和也【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・福浦和也【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

1993安打目はプロ初安打と同じ中前に

 幕張の安打製造機の1993安打目も中前打だった。9月5日、ZOZOマリンスタジアムでのホークス戦。1打席目は前回対戦で1992安打目となる中前打を記録した先発・松本裕の前に凡退。しかし、2番手・中田との対戦で捉えた。

 1球目。インコースへの140キロのストレートを見送る。胸元を突くギリギリ一杯の球も長年培った選球眼は冷静だった。ピクリともしない。2球目、146キロストレート。ほぼ同じゾーン。ただ球1つ分ストライクゾーンに入ってきた。ボールの真下を叩く。中前に飛んだ打球は3回、4回と人工芝の上で跳ね、中堅・柳田のグラブに収まる。ビジョンで偉業達成まで一歩近づいたことを知らせる数字が表れるとスタンドは大きな歓声に包まれる。場内に設置された「FUKUメーター」も誇らしげに更新された。

「ストレート狙いだった。1球目がボールになったので2球目はストライクをとりにくると思って狙っていた。詰まっていたけど、ヒットになってくれてよかったよ」

 一塁ベースを少しまわったところで打球の行方を確認すると、右手を少しだけ掲げ、ファンの声援に応えた。思えば初ヒットも本拠地での中前打だった。その時のことは今でも鮮明に覚えている。

早朝の旅立ちを見送ってくれた山本2軍監督

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