“春男”から頼れる4番に…打撃で自己最高を更新中のロッテ井上、覚醒の理由

ロッテ・井上晴哉【写真:荒川祐史】
ロッテ・井上晴哉【写真:荒川祐史】

頼りになるロッテの4番打者へと成長、意識する「1打席目」

 9月5日現在、106試合に出場して、打率.286、19本塁打、80打点と打撃3部門で、自己最高の成績を残しているロッテ・井上晴哉内野手。「最近は調子が悪いですけど……」と現状について話すが、頼りになるロッテの4番打者へと成長を遂げた。

 今年の活躍の裏には、金森栄治打撃コーチの就任も大きく関わっている。井上は「ボディーターン」を強く意識した打撃に取り組んでおり、その結果、今の成績につながった。

 シーズン前に井上は「やりたいことを意識してできている。それがシーズンを通して続けるようにやっていきたい」と話していたが、現在は「できている時と、できない時もあります」と明かす。「ボディーターンもそうですし、体の使い方は、日によって体調もあるので、できる、できないはありますけど、シーズン通してしっかりできている方だと思います」。その時の自身の体調と相談しながらも、シーズン前に思い描いた通りにできているようだ。

 昨年まではスタメンだけでなく代打での出場も多かった井上は「1打席しかないと思って、日頃から練習すべきですよね」「代打でもスタメンでもそうですけど、1打席目ってその試合の調子につながるし、意識している」と、1打席目に強く意識を持って打席に臨んでいた。それに付け加えて、「与えられたチャンスをモノにするというのは、1打席目のインパクトが大事になってくる。それが継続してレギュラーになったら、もちろん1打席も大事なんですけど、長いスパンで考えてできることもあると思う」と、レギュラーをつかめば、4打席を考えて打席に立てるのではないかとも分析していた。

 レギュラーとなった現在は「1打席目がいいと、いい波で乗っていけるので、それは変えていないです」と、1打席目から1試合トータルを考えて打撃ができているという。それが今季の好結果につながっていると言えそうだ。

 これまでの井上は、オープン戦からゴールデンウィークまでの期間に活躍する“春男”と呼ばれていた。今季は扁桃炎で1度登録を抹消されることはあったが、その時期以外は1軍に同行し、レギュラーの一員としてチームに貢献。レギュラーの証でもあるシーズンの規定打席(443打席)到達も間近に迫っている。

 それでも「日々の積み重ねだと思うので、1試合1試合、勝てるように頑張るだけです」と、規定打席到達よりもチームの勝ちに貢献する活躍を誓う井上。昨季までの“春男”を返上し、チームに欠かせない主軸となった。クライマックスシリーズ進出に向けて厳しい状況なだけに、井上のバットにかかる期待は大きい。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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