旧友セール、防御率1.78で黒星先行のデグロムをCY賞に推薦「球界最高の投手」

メッツのジェイコブ・デグロム【写真:Getty Images】
メッツのジェイコブ・デグロム【写真:Getty Images】

サイ・ヤング賞候補も論議呼ぶデグロム、ア・リーグ屈指の左腕が強力プッシュ

 2度の奪三振王獲得を誇るア・リーグ屈指の左腕が、ナ・リーグ屈指の剛腕投手をサイ・ヤング賞に強力プッシュした。16日(日本時間17日)に行われた交流戦で、レッドソックスのクリス・セール投手とメッツのジェイコブ・デグロム投手が先発として対戦。互いに勝敗はつかなかったが、セールはデグロムに「球界最高の投手」と折り紙をつけた。レッドソックスの地元メディア「Masslive.com」が伝えた。

 8月に左肩の炎症で故障者リスト(DL)入りしたセールは、この日が復帰2試合目の登板。チームはすでにプレーオフ進出を決め、地区優勝まで秒読み状態ということもあり、無理はせずに3回42球で降板したが、試合前にはデグロムと和やかに言葉を交わしたという。

 実はセールとデグロムは、ともにフロリダ州内の大学の出身で、その時代からお互いに面識がある。デグロムはもともと大学2年まで遊撃手が本職で、当時セールから本塁打を打ったことがあったという。「試合前に、彼になぜラインナップに入っていないのか問い詰めたんだ。大学時代のお返しをしたかったからね」とジョークを飛ばしたセール。試合はレッドソックスの本拠地で行われたためDH制が採用され、投手は基本的には打席に立たないが、それでもセールは「打者・デグロム」と対戦したかったようだ。

 記事によると、現在、ア・リーグトップの防御率1.92を誇るセールは「彼はナイスガイだよ。それに現時点では彼が球界の最高投手だと思っている」と、ナ・リーグトップの防御率1.78を誇るデグロムを絶賛。257奪三振(ナ・リーグ1位)、WHIPは0.95(ナ・リーグ2位)の好成績で、ナ・リーグのサイ・ヤング賞有力候補に浮上する右腕を猛プッシュした。

 抜群の成績を誇るデグロムだが、勝敗に目を向けると8勝9敗と黒星先行。サイ・ヤング賞獲得には、これが大きなネックとなっている。いかに貧打にあえぐメッツ打線の援護がないかという証明でもあるが、もし負け越して防御率1点台となると1910年以来108年ぶり。シーズン負け越しでサイ・ヤング賞を取った投手はいまだかつていない。昨年まで2年連続受賞のマックス・シャーザー(ナショナルズ)は今季17勝7敗、防御率2.53でメジャートップの277奪三振。賞の行方は大きな議論の的となっている。

 心強い援軍も現れた。デグロムに7回5安打3失点と好投されたレッドソックスのアレックス・コーラ監督は、「(サイ・ヤング賞の)投票はいろいろ難しい面もある。しかし、ナ・リーグでは彼が獲るべきだ。疑う余地もない」と、デグロムを推すセールに“加勢”。残り12試合。中4日なら3試合は登板できそうだが、果たしてデグロムは旧友のエールに応え、白星を先行させられるだろうか。

(Full-Count編集部)

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