「悔しくない人はおらん」9年ぶり9番降格の鷹・松田、2連発で獅子の胴上げ阻止
「熱男!」パフォーマンス回避の理由は明かさず
■ソフトバンク 3-1 西武(29日・メットライフ)
ソフトバンクの松田宣浩内野手が“二振り”で、目の前の胴上げを阻止した。29日、敵地メットライフドームでの西武戦。優勝へのマジックを1とされ、王手をかけられて迎えた一戦で、この日9年ぶりに9番に降格した松田が2打席連発、全3打点を叩き出す活躍を見せた。
昨季王者の意地、そして松田の意地だった。1点を先制された直後の4回、2死二塁で打席に入った松田は、西武先発の今井が投じた高めのスライダーを仕留めた。快音を残した打球は西武ファンが埋め尽くした左翼スタンドへ。逆転の29号2ラン。本拠地Vを願うメットライフドームの大部分のファンが静まり返った。
さらに7回だ。1死走者なしで再び松田。今度は2番手の増田が投じた4球目の真っ直ぐを捉え、またも西武ファンが埋める左翼席へと打球を運んだ。2打席連発の30号ソロで、リードを2点差に。チームはそのまま逃げ切って勝利を収め、目の前での胴上げを阻止。試合後、松田は「ただ、それ(胴上げを阻止する)だけです」と語った。
この試合までの5試合でわずか1安打と不振に陥っていた松田。この日は2009年以来となる9番に打順が降格した。「悔しさ? そりゃそうですよ。悔しくない人は誰もおらんでしょ」。35歳のベテランは突きつけられた悔しさを、バットで晴らしてみせた。
これで3年ぶりに大台の30本塁打に到達したことについては「打者として目指しているところ。それは良かった」。この日の1本目には恒例の「熱男!」のパフォーマンスを行わらなかったものの、「特に理由はないですよ」とその真意を明かすことはなかった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)