【福岡発 売り子名鑑2018】ヤフオクDの“天使”が見つけた売り子サバイバル術「お客さんとの密度を上げる」

キリンビールのえんじぇるさん【写真:福谷佑介】
キリンビールのえんじぇるさん【写真:福谷佑介】

「次の試合で辞めよう」と思いつつ、気付けば4年目

 ペナントレースも終わりが近づいてきた2018年のプロ野球。ここからはポストシーズンに突入し、日本一を目指した戦いへとシフトしていく。そんなプロ野球の各球場を彩る“華”が、各ビールメーカーの売り子たち。一見華やかに見えるが、連日10キロを超えるビールのタンクを背負い、階段ばかりの球場内を歩き回る過酷な仕事だ。肉体的な厳しさはもちろん、売り子の間での競争、売上を伸ばすための創意工夫など、トップクラスの売り子たちほど苦労と努力を行っている。

 2年連続のリーグ優勝を狙う福岡ソフトバンクホークスが本拠地とするヤフオクドームでも、売り子たちの熱き戦いが連日繰り広げられてきた。ヤフオクドームのビール販売はアサヒビール、キリンビールの2社が展開しているが、その売り子たちは登録制となっており、登録者数は両メーカー合わせて500人近い数にも上る。

 球場内でビールを売るのは100人ほど。トップクラスの売り子となれば”常連さん”と呼ばれる固定客もいるが、それでも球場内では売り子同士での顧客の奪い合いとなる。弱肉強食の競争を生き抜くビールの売り子たち。「福岡発 売り子名鑑2018」では、厳しい世界を勝ち抜くトップクラスの売り子たちの苦労と苦悩、努力を紹介していく。

 第2回はキリンビールの「えんじぇる」さん。

 高校2年生から売り子としての活動をスタートさせ、今季で4年目となった「えんじぇる」さん。「野球がめっちゃ好きだったとかではなくて、単純にバイトを探している時に募集を見て。すでにバイトを掛け持ちしていたんですけど、試合がいつあるかわかるので、掛け持ちがしやすそうだと思って始めました。テレビで売り子さんを見て楽しそうと思ったのもありますけど」。軽い気持ちで始めたが、気付けば4年も続けていた。

野球に詳しくなくとも“オリジナリティー”で図る交流

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