獅子vs鷹、勝負を分けた4回の攻防 雄星vs西田&甲斐が「ポイントだった」

ソフトバンク・西田哲朗【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・西田哲朗【写真:藤浦一都】

2死一塁から満塁とされ、辻監督「どっちかでというところで…」

■ソフトバンク 10-4 西武(17日・メットライフ)

 ソフトバンクが大きな1勝を掴んだ。17日、敵地メットライフドームで行われた「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第1戦。初回に1点を先制すると、逆転を許した直後の4回、西武先発の菊池を攻め立て大量5得点を奪った。この回の攻撃が試合の行方を決め、西武に与えられているアドバンテージを含み、1勝1敗のタイとした。

 4回の猛攻で菊池を、西武を沈めた。先頭のデスパイネが中前安打で出塁。中村晃が三ゴロ、松田は三振に倒れて2死となったが、そこから西田が2ボールからの3球目を右前安打、甲斐は簡単に2ストライクとされながら、そこから粘って四球を選んで満塁の好機を作り出した。

 そこから川島が逆転の2点適時二塁打、上林は左中間への適時三塁打。さらにグラシアルも左前適時打を放って3連続タイムリー。一気に5点を奪い取り、1点のビハインドから、逆に4点のリードを奪った。菊池はこの回の大量失点が響き5回9安打6失点で降板となった。

 ヒーローは逆転の一打を放ち、この日3安打3打点と大活躍した川島。だが、勝負を分けたポイントは、この川島の一打の前にあった。藤本博史打撃コーチは言う。「8、9番、あそこが勝負を分けたポイントだった」。西田は2ボールと打者優位のカウントからストライクを取りにきたボールを安打にした。甲斐は簡単に追い込まれてから、3球ボールを見極め、6球目をファウルとし、7球目で四球を選んだ。

 2アウトで打線は下位打線。菊池にとってみれば、この8番、9番のどちらか1人で1つアウトを取れば、何の問題もなかった。それがアウトを取るどころか、満塁のピンチに。この時点で流れは、ソフトバンクに傾いていた。

 西武の辻発彦監督も試合後、こう振り返っていた。「8番、9番どっちかというところで(アウトを)取れなくて、ああなっちゃったね。窮々じゃなく、1点やってもというところだった」。西田&甲斐VS菊池。この日の勝敗を分けた攻防となったと言えるだろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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