西巻が殊勲2打点 打撃不振脱出に光明差した稲葉監督のアドバイス「大きかった」

ドミニカ戦で打点を記録した侍U-23代表・西巻賢二【写真:Getty Images】
ドミニカ戦で打点を記録した侍U-23代表・西巻賢二【写真:Getty Images】

再三のスタメン起用も快音響かず「だいぶ苦しんだ」

 コロンビアで行われている野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC U-23ワールドカップ」は27日(日本時間28日)、スーパーラウンド第3戦が行われ、すでに決勝進出を決めている日本はドミニカ共和国を4-0で下し、スーパーラウンドを通算5勝負けなしで終えた。

 3、4点目を叩き出したのは、今大会打撃で苦しんでいた8番・西巻賢二内野手(楽天)だ。4回2死から、安田尚憲内野手(ロッテ)、原澤健人内野手(SUBARU)、堀内謙伍捕手(楽天)の3連打に続く右前適時打。二塁から堀内が生還し、リードを3点に広げると、6回にも2死一、二塁から中前適時打。4点目を加え、チームに勝利をたぐり寄せた。

「ファーストラウンドでだいぶ苦しんだが、チャンスで1本欲しかったので、今日は何とかチャンスの場面で打ててホッとしています。上位からでも下位からでも点が取れたらチームとして楽になる。1番にいい形でつなぐためにも、前に走者がいる時は返すという気持ちで、常に打席に立っています」

 19日(同20日)の開幕戦、南アフリカ戦はスタメン出場したがヒットが出ず、その後、2試合は中山悠輝内野手(東京ガス)にスタメンの座を譲った。その中山が21日(同22日)のメキシコ戦で右足首を負傷。西巻は続く22日(同23日)のオランダ戦でスタメンに復帰したが、大会初安打は開幕5試合目の23日(同24日)コロンビア戦まで待たなければならなかった。25日(同26日)のスーパーラウンド初戦、韓国戦では2安打を放ったが、前日26日(同27日)のベネズエラ戦では再びノーヒット。納得の打撃ができず、必死にもがいていた。

 だが、稲葉篤紀監督からの試合前のアドバイスが効いた。

「打ちにいく時に腕が伸び切っているということを言っていただいた。それだといい当たりが出ても力が伝わっていない分、(野手の間を)抜けていかない。確かに朝の打撃練習でも感覚的にそんな感じがあったので、自分であまり気付けていなかったことを監督から言っていただいて、そのアドバイスが非常に大きかった」

 指揮官からの言葉で迷いなく振れるようになった西巻は、8回にもこの日3本目となる右前打。その表情にも笑顔が戻った。

 これでチームは、オープニングラウンドをともに突破したチャイニーズ・タイペイ、メキシコに続き、スーパーラウンドでも韓国、ベネズエラ、ドミニカ共和国を下し、スーパーラウンド通算5勝0敗。大会開幕から8連勝で決勝を迎える。

 28日(同29日)の決勝の相手はメキシコ。大会連覇を狙う日本にとって、大一番を前にしての西巻の復調は、チームにとっても大きなプラスといって間違いない。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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