“春男”脱却の裏で苦悩も… ロッテの4番・井上晴哉が振り返る覚醒の1年

ロッテ・井上晴哉【写真:荒川祐史】
ロッテ・井上晴哉【写真:荒川祐史】

打撃部門全てで自己最高の成績、最も納得できたのは「99打点」も…

 開幕直後は存在感を示すが、夏までに1軍の舞台から姿を消してしまう……。そんな“春男”と呼ばれたロッテ・井上晴哉内野手は、プロ5年目の今季、ついに覚醒した。133試合に出場して、打率.292、24本塁打、99打点。打撃部門全てで、自己最高の成績を残した。

 今季の成績のうち最も納得できた数字について、井上は「チームの順位があまり良くなかったので……」と前置きしたうえで、「99打点というところじゃないですかね。そこは貢献できたと思います」と、リーグ5位の打点数を挙げた。

 チーム3冠王に輝き、成長を遂げた井上ではあるが、シーズンを通して順調だったわけではない。開幕から4番で起用され、開幕2戦目の楽天戦でプロ入り初となる2打席連続本塁打を放つ好スタートを切ったが、徐々に成績が下降した。

 5年目で初めて、夏までに2軍落ちすることなく1軍でプレーしたが、5月は打率.208、2本塁打、12打点。11日の西武戦からは打順が5番に変更となり、その後は7番まで下がった。交流戦が始まってからは、指名打者制が採用されていないセ・リーグ主催試合で、ベンチスタートという日もあった。

 そんな苦悩の日々を井上は「あの時はドミンゲスも調子が良くて打っていたし、『正直俺じゃなくてもいいのかな』と不安な気持ちもありました」と振り返る。さらに「ちょっと良くなってきたなと思ったときに、扁桃炎になりました。チームに迷惑をかけたと思いますし、その中で不安な気持ちも自分の中でありながら、やらないといけないというのがありました」と、不振と病気離脱が重なった際の素直な心境を明かした。

不安な気持ちを取り除いた豪快弾、「4番打者」への強い思い

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