「伏兵」の活躍が日本シリーズを左右する? 代打満塁弾、守備職人の一打…

ソフトバンク・工藤監督と広島・緒方監督【写真:藤浦一都、荒川祐史】
ソフトバンク・工藤監督と広島・緒方監督【写真:藤浦一都、荒川祐史】

日本シリーズで勝負を決める活躍を見せた伏兵たち

 プロ野球日本一を決する日本シリーズは、球界を代表するスター選手たちの活躍の舞台だが、脇役の選手が試合を決める殊勲打を打つことがしばしばある。メディアはこれを「伏兵」と言うが、ここまで多くの「伏兵」が日本シリーズのドラマを作ってきた。

日本シリーズの「伏兵」を振り返ってみよう。

〇王貞治ではなく、2人の巨人投手が揃って殊勲打で勝利

1973年第2戦10月28日 ●南海2-3巨人〇(大阪球場)

 2回に南海が先制するが、4回にこの日の巨人先発投手倉田誠が一死一、三塁で中前打を打ち同点に追いつく。巨人は5回に勝ち越すが、6回に南海が追いつき2-2で延長戦へ。7回途中から倉田をリリーフした堀内恒夫が11回表、1死二塁で南海佐藤道から中前打で走者をかえす。これが決勝点。この年、長嶋茂雄は故障で欠場していたが、王貞治以下強力打線は健在だった。しかし勝負を決めたのは2人の投手だった。

〇史上最強外国人を向こうに回してシーズン3本塁打の打者が決勝の一発

1985年第4戦10月30日 ●阪神2-3西武〇(甲子園)

 6回に西武がスティーブの2ランで先制、その裏に阪神が真弓のソロで1点差に。8回に阪神が弘田の犠飛で追いつく。9回表2死三塁で、代打に立った西岡良洋が阪神福間から決勝の2ラン。阪神は三冠王のバース、掛布、岡田が中軸に並ぶ強力打線だったが、西武の松沼兄弟の前に合わせて1安打。決勝本塁打を打った西岡は外野守備の名手として知られたが、この年3本塁打、キャリアでも50本塁打。ノーマークの選手の殊勲打だった。
なおこの試合の有料入場者数入場者5万1554人は日本シリーズ史上最多。

〇最晩年を迎えた強打者が、代打満塁サヨナラ本塁打

1992年第1戦10月17日 〇ヤクルト7-3西武●(神宮球場)延長12回

2回に西武がデストラーデのソロで先制、3回にヤクルトは飯田、新井の連続タイムリーで逆転、6回には古田のソロが出て3-1とリード。しかし7回に西武はデストラーデがこの日2本目のソロ、さらに9回には石毛の犠飛で同点に追いつく。延長12回裏、1死満塁で代打・杉浦亨が打席に立つ。杉浦は通算224本塁打の強打者だが、40歳のこの年はわずか18試合で1本塁打だった。しかし杉浦は救援の鹿取から代打サヨナラ満塁本塁打。本人はこのシーズン限りで引退する予定だったが、この殊勲打でもう1年現役が伸びた。

2012年は日本ハムの守備職人・飯山が巨人からサヨナラ打

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