球団の気持ちを具現化 斬新なアイデアが詰まった日ハム新球場の“設計秘話”

HKSの担当者は「ファイターズさんの気持ちを具現化したと思っています」

 2つめのキーワードは「あの場所が求めているもの」。大自然の中に広がる広大な敷地の中で、周囲の自然と融合する形を探っていった。グラウンド部分を最大20メートル掘り下げて地下1階に設置。球団が希望した360度コンコースを1階部分に置くことによって、球場の内側と外側が視覚的にも物理的にも同じレベルでつながった。グラウンドを低くすることで、巨大な建物の威圧感を減らす狙いもある。

 HKSの担当者は「沢や森があって、サイトの条件が全部違うので、対象的なドームではなく、見る角度によって全然形が違います」と説明する。センター方向の奥には沢があり、その緑を最大限生かすために、センター後方には巨大なグラスウォールを設置した。バックネット裏の奥は森が広がり、プライベート空間として、選手やVIP入り口、球団事務所など設ける。車での来場者と電車での来場者にもそれぞれ分かりやい外観を意識し、4面の違う顔が出来上がった。

「いろんな線が重なって、いろんな思いやアイデアが一つ一つ積み重なって出来たのが今のデザイン。我々がデザインしたというよりは、ファイターズさんの気持ちを具現化したと思っています」とHKSの担当者。新球場は2020年春に建設着工し、23年1月竣工、3月開業を予定している。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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