驚きを隠せない元楽天AJ 打者・大谷翔平が1年目から発揮した非凡な能力とは

楽天在籍時に大谷との対戦経験を持つアンドリュー・ジョーンズ氏【写真提供:DAZN「Home of Baseball」】
楽天在籍時に大谷との対戦経験を持つアンドリュー・ジョーンズ氏【写真提供:DAZN「Home of Baseball」】

日本より多いチーム数と対戦相手、短時間で修正しなければ結果は出ない

 MLBの現役選手、また、かつての名選手が大谷について語る時、しばしば「修正能力が高い」という言葉を耳にする。なぜMLBで戦うには修正能力がこれほどまでに必要とされるのか、その理由についてジョーンズ氏は明快に答えた。

「日本の野球のレベルは非常に高いと思います。多くの日本人投手がメジャーに挑戦し、チャンスを得ています。一方、日本人打者はそれほど多くありません。それはやはり、継続的に結果を残すために修正が必要だからです」

 チーム数が30と、日本の12球団の2.5倍も多いMLB。対戦相手も多く、同地区のチームとの対戦でさえ、162試合のうち76試合と半分以下だ。あとは同一リーグ他地区と66試合、インターリーグ20試合。つまり、1シーズンで20チーム前後と対戦がある。交流戦を入れても最大11チームとしか対戦しないNPBの倍近いチームが相手になれば、日本とは比較にならないほど多数の投手と対戦することになる。

「もし日本のプロ野球にもメジャーリーグと同じ数のチームがあったら、修正を求められる機会も増えます。なぜなら、同じ相手と常に対戦するわけではなくなるからです。日本には12の球団しかありません。そのため、毎回、隔週くらいと言ってもいいペースで同じ相手と戦います。でも、メジャーリーグでは、ある相手選手と対戦したら、次の対戦が1か月先になるなんてこともあり得ます。ですから、日本では見られないレベルで、こちらでは修正が必要なのです」

 どんな投手と当たっても、短時間のうち自分の打撃を修正し、アジャストして結果を出す能力を求められる。大谷は、MLBのレベルで求められる修正能力を、ルーキーシーズンから発揮してみせた。

 ジョーンズ氏は現役引退後、オランダ代表のベンチコーチとして臨んだ侍ジャパンとの強化試合(2016年11月12日)で大谷が東京ドームの右中間最上段に特大の本塁打を打ち込んだのも目の前で見ている。「どのレベルでも野球は野球です。ただパフォーマンスのレベルがそれぞれ違います。選手やチームの数もね。日本の野球のレベルは、おそらくメジャーリーグよりほんの少し下くらいでしょう。3A+(3Aより上、MLBより下ぐらいの位置)というレベルだと言えると思います」と日本の野球の実力を分析する。

 実際に自分でプレーし、肌で感じた日本の野球。そこから、MLBの常識を覆す大谷翔平という存在が飛び出した。「オオタニの動向を詳しく追っていましたが、見事な数字を残しました。彼の今後の活躍を祈っています」。ジョーンズ氏は常識破りの挑戦を続ける大谷にエールを贈った。

(Full-Count編集部)

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