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本塁打の滞空時間トップ5! パでもっとも長~く余韻を残したスラッガーは?

木製バットが乾いた音を響かせた瞬間、ボールは点にみえるほど高々と上がり、上空でゆるりゆらゆら距離を稼いだあと、観客席にスコーンと落ちてくる――。滞空時間の長い本塁打は、野球というスピードや効率が求められがちなスポーツにおいては珍しく“時(とき)”の余韻にひたることができるプレーだ。

中村晃はミスター“こすり打ち”、低めを拾う技術は天下一品のロメロ

 意外といったら失礼か(?)3位には6秒69で中村晃(ソフトバンク)が入ってきた。

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 独特のバットを短く持った一本足打法で食らいつくスタイルの中村は、ボールの下半分を切るように打って、逆方向の左翼側の内野と外野の間にフワーッと落とす曲芸のようなヒットを打つ印象が強い。今回の3位入賞もこの打法が関係しているようである。

 このタイムを記録した一打も、打った瞬間は「ボールの下をこすりすぎてライトフライか?」と思われたものが、あれよという間にスタンドに届いてしまった。

「SMBC日本シリーズ2018」でも全試合に出場して存在感を示した中村は、単打にも長打にもできる無敵の“こすり打ち”がある限り、現在の活躍ぶりは長く続きそうな気配だ。

 今シーズン、前年の26本とほぼ同等の25本を記録したロメロ(オリックス)が、6秒72で堂々2位。トレードマークのタトゥーが入った長い左腕をもバットの一部のように使いこなす大きなスイング軌道のロメロは、低めの球を拾ってスタンドまで運ぶ技術に長ける。

 ときには、4位のアルシアと同じように頭を残して速球を一閃。だが、肩を怒らせ渾身のパワーで押し込むアルシアとは対象的に、ロメロは体をクルッと回転させてバットにボールを乗せるスマートなスタイルだ。

 そして、カーブなどスピード差をつけた変化球にも対応できるのがロメロのもうひとつの強みでもある。踏み出した左ヒザがやや折れた体勢になりながらも、極力前に出されないように踏みとどまり、前でさばく。

 2位に入った本塁打はこの打法で記録したもの。打率は前年の.274から.237と大きく下げたが、滞空時間の長い本塁打で存在感を出した。

■滞空時間の短い本塁打は、左手一本でスタンドに運ぶレアード

 ここで、1位を紹介するまえに、番外編として対極となる滞空時間のもっとも短い本塁打について触れておこう。記録は3秒20で、吉田正尚(オリックス)と山川穂高(西武)が同タイムであった。

 吉田は身長173センチとプロとしては小柄だが、常に強烈な腰の回転で破格のスイングスピードを生み出す。そのため、本塁打のイメージとしては完璧にとらえた弾丸のような打球がすぐに浮かぶが、時折、高く舞い上がる打球や、低いライナーでスタンドまで運ぶレアなケースがあることも。最短時間を記録したのは、その中の低く打ち出された一打だ。

 一方、山川は体重108キロの体格を生かした腕っぷしの強さと、逆にその外見からは想像もつかぬような抜群の運動神経を存分に発揮し、自身初の本塁打王を獲得。とにかく、詰まろうが、前に出されようが、どんなコースでもアジャストさせてスタンドに持っていってしまう。最短時間を記録した一発も、多彩なバリエーションのひとつに過ぎないだろう。

 ともに今シーズン大きく飛躍した長距離砲だが、体格から打撃スタイルに至るまで好対照な2人の名前が並ぶという面白い結果となった。

 栄えあるトップは、ロメロとわずか0秒03の差ながら6秒75でレアード(日本ハム)だった。バットがボールをとらえたあとはほとんど左手一本のフォロースルーで、最後に「ぶら~ん」となるフィニッシュはもはやおなじみの形である。

 日本でのプレーは4年目となった今季は26本ともっとも本塁打数が少なかったレアードだが、高々と上がった美しい本塁打は魅力のひとつ。恒例の「SUSHI(寿司)パフォーマンス」は来季も見られるだろうか。

 ある程度予想はできたが、トップ5にはパワーのある外国人選手が3人入った。逆に日本人選手は、前出の柳田や山川、吉田をはじめ、中田翔(日本ハム)や浅村栄斗、中村剛也(ともに西武)、T-岡田(オリックス)といった名前が誰も入ってこなかったのは意外に思える。

 考えてみると、打球を高く上げながらもスタンドまで持っていくというのは相反する条件を同時に満たさなくてはならず、並外れたパワーや打球に上向きの強烈なスピンをかけるなど、高い技術が必要かもしれない。

 しかし、同じプロ選手でもめったにないような高く上がった打球を息をのむように見上げ、スタンドインした瞬間「おぉ~」と感激するのは、スタンドで観戦するファンにとってはまさに至福の時間だ。

 来年以降も、滞空時間の長い本塁打を数多く見せてくれることを期待したい。

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