元楽天AJが語る大谷翔平への期待 継続と唯一無二の存在感が一流への道

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

対戦成績.214 ライバルであり目標でもあるバーランダー

 メジャー1年目から二刀流で実力を見せつけ、“圧勝”でア・リーグ新人王に輝いたエンゼルスの大谷翔平投手。シーズン途中に右肘の靭帯損傷で離脱し、後半戦はほぼ打者に専念したが、その対応力、パワーで周囲を驚かせた。

 12日(日本時間13日)に行われた新人王発表に先駆けて、DAZNではオフの新番組「Home of Baseball」の配信を2日から開始。第1回は大谷の特集で、投手編(2日から)、野手編(9日から)に分けてルーキーイヤーを様々な角度から分析している。エンゼルスのOBで地元テレビ局の中継解説者を務めるMLB132勝のマーク・グビザ氏、日米通算2148安打、484本塁打のアンドリュー・ジョーンズ氏、エンゼルスOBで現在はオリックスのシニアアドバイザーを務める長谷川滋利氏、元レイズ(デビルレイズ)の岩村明憲氏らが登場。2013年、2014年の楽天在籍時に大谷との対戦経験もあるジョーンズ氏は、ライバルや目標とすべき存在を挙げながら、大谷の未来を占った。

 大谷が、印象に残る選手として投手で真っ先に名を挙げたのが、アストロズのジャスティン・バーランダー。同地区の強豪チームのエースとして何度も顔を合わせ、5月16日(日本時間17日)には3三振と完敗したが、7月21日(同22日)の対戦では右翼への二塁打。そして8月25日(同26日)に、バックスクリーンに放り込む14号2ラン本塁打を放った。しかし、今シーズンの対戦成績は14打数3安打、打率.214と、決して打ち込んだわけではない。メジャー通算204勝、2500個を超える三振を奪っているメジャー屈指の剛腕は、ライバルであると同時に、大谷が目指すべき高みにいる存在でもある。

「オオタニほどの肩と球を持っていれば、将来はバーランダーのレベルになる可能性があります」とジョーンズ氏は大谷の秘めたポテンシャルを認める。ただし、「彼はまだルーキーイヤーを終えたばかりです。そんな投手を10年選手などと比べるのはフェアではありません。まだそこまで長い間、プレーしていないのですからね。オオタニが10年プレーした後に『すごい数字を残しているね』『ジャスティン・バーランダーと同じような成績だ』と言っているかも知れませんが」ともつけ加えた。誰かの後を追うのではなく、大谷は大谷の道を突き詰め、結果としてバーランダーに肩を並べるという形であってほしいという。

 それは、バーランダーが年齢を重ねるとともにそのピッチングに凄みが増しているからでもある。「バーランダーはオオタニと同じような球種を持ち、同じ速球派です。威力のある速球も、変化球も一級品です。それがジャスティン・バーランダーというピッチャーです。タフなピッチャーで、年齢を重ねるごとにどんどんさらにいい投手になっています」。ジョーンズ氏には、何年も継続して成績を残し、自分だけにしかできないことを極めた唯一無二の存在になってこそ、一流のメジャーリーガーであるという基本スタンスがある。

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