フィリーズで地区5連覇 黄金時代担った強打の名二塁手、アトリーが引退

現役引退を表明したチェイス・アトリー【写真:Getty Images】
現役引退を表明したチェイス・アトリー【写真:Getty Images】

08年にはワールドシリーズ制覇

 2007年からナ・リーグ東地区で5連覇を果たしたフィリーズの中心選手で、今季はドジャースでプレーしたチェイス・アトリーが引退を表明した。

 アトリーは1978年12月17日、カリフォルニア州パサディナの出身。高校時代から注目され、1997年のアマチュアドラフトでドジャースから2巡目で指名されたが入団せず。カリフォルニア大学ロサンゼルス校時代は大学屈指の強打の内野手として知られ、2000年1巡目(全体15位)で、フィラデルフィア・フィリーズに入団した。

 4年目の2004年にメジャーデビュー。当初はプラシド・ポランコの控え二塁手だったが、2005年に正二塁手となり打率.291、28本塁打105打点、翌2006年には打率.309、32本塁打102打点でシルバースラッガー賞に輝いた。

 フィリーズは、19世紀からMLBに参入した老舗球団だったが、下位低迷が長く、2007年にはMLB史上初の「10000敗」を喫するほど弱いチームだった。しかしこの2007年に、1993年以来の地区優勝。以後、ナ・リーグ東地区で5連覇を果たす。指揮官はヤクルトや近鉄で活躍したチャーリー・マニエルだった。2008年にワールドシリーズを制覇、翌年も2年連続でワールドシリーズに駒を進めたが、ヤンキースに敗れた。

 この黄金期のフィリーズにあって、アトリーは一塁手のライアン・ハワード、外野手のジェイソン・ワースらと強力な中軸打線を形成し、チームの得点源として活躍した。右投げ左打ち、185センチ、91キロの筋肉質の体でハッスルプレーが売り物。端正なマスクで、女性人気も高かった。オールスターには2006年から5年連続選出、2014年にも選ばれた。ゴールドグラブは受賞していないが、守備範囲は広く、2010年にはRF(Range Factor守備範囲の広さを示す指標)でリーグ1位になっている。

 フィリーズは2010年から観客動員が3年連続でMLB1位となった。アトリーは全米一の人気球団で、屈指の人気を誇るスター選手になった。

フィリーズ黄金時代最後の生き残りが姿を消す

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