オリ助っ人左腕が語る“違い” 自分を分析する米国、相手を分析する日本

登板前にはビデオで相手打者を徹底的に分析

 もちろん、データを使わないわけではない。ただ、MLBの場合はトレーニングや技術的なことについて、パワーアップする、打力を上げるといった、自分(または味方)を分析するデータが盛んに使われるが、日本の場合は、相手を分析してその対策をするための「スカウティング」が主だ。アルバースもその点は理解している。

「(日本のスカウティングは)とても良いです。ビデオプログラムがあるのが良いですね。登板する前には、(相手の)ラインナップが過去数週間以内に(アルバースと同じ)左腕と対戦したビデオを見ます。僕は圧倒的な投球をするわけではないから、しっかりと準備するタイプで、それぞれの打者がどのようなスイングをするか、どのような打者か知りたいし、弱点を突くようにしたい。だから、登板する前日の夜に数時間ビデオを見るし、通訳を介して捕手と話をする。なるべく失投を少なくし、自分の投球に自信を持つことが必要だと思っています」

 NPBはMLBと違い、同じ相手と何回も対戦するが、アルバースはしっかりと自分のやり方もそれに合わせて日本でのプレーに臨んでいる。

 ただ、日本独特の事情も存在する。それは、NPBのスタメン発表は試合開始直前だということ。MLBは基本的に3時間前にはスタメンが出るため、それについては戸惑いもあるという。

「ラインナップの発表が、試合開始の30分前なんです。そのため、ビデオを見ていない選手がラインナップに入っていることもあります。『この選手について全く知らないよ』と思います」

 そんな中でも今年5月、6月は計8試合に登板し7勝0敗という成績を残したのだから、アルバースの投手としての能力は確か。本人も、日本でのプレーを相当気に入っているようだ。

「野球に日本でかなり人気があり、熱狂的なファンも多いです。素晴らしい雰囲気を作ってくれます。(自分は)ただ努力し続けるだけです。チームの一員になることが一番です。自分本位にならず、チームの一員となって勝利に貢献することができれば、受け入れられると思います。自信を持って投球し、自分の仕事をしてアウトを取ることが重要です」

 オリックスが離脱中に再契約に踏み切ったのは、成績面もさることながら、野球に取り組む姿勢も評価してのことだろう。その真面目さが、コメントからも伝わってきた。来季は1年間先発ローテを守り、今年届かなかった2桁勝利を期待したいところだ。

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