3年連続で40回以上の逆転勝利も、投手陣は…データで今季を振り返る【広島編】

「逆転の広島」は今年も健在、それだけ先制を許しており…

 他のセ・リーグ5球団にとって勝率5割ラインがなかなか超えられない壁になっている最中、5月以降も着実に勝ち星を重ねていくカープ。交流戦は7勝11敗と負け越しでしたが、その期間を除けばほぼ厚いレッドゾーンとなっているグラフがシーズンの首位独走を物語っています。セ・リーグ6球団だけでの戦績は

1位 広島 75勝48敗 勝率.610
2位 ヤクルト 63勝60敗 勝率.512 ゲーム差12.0
3位 巨人 59勝61敗 勝率.492 ゲーム差2.5

 と、6割1分の勝率を残しています。対戦成績をみると、中日に11勝14敗と負け越している以外は、巨人から10、ヤクルトからは13の勝ち越しを稼いでいます。

 チーム得点721、1試合平均5.04は昨年より少ないですが、それでも2年連続で700得点以上、1試合平均5点以上と攻撃力はリーグでも群を抜いています。そして今年も82勝のうち41勝が逆転勝ちとなり、3年連続で40回以上の逆転勝利を飾り、「逆転の広島」は今年も健在でした。

 ただ逆転が多いということはそれだけ先制もされているということで、防御率4点台(4.12)での優勝はセ・リーグでは1978年ヤクルト、1985年阪神以来3度目です。この防御率でもリーグ3位であったということは、今年のセ・リーグが打高投低だったことの表れでしょう。今季の勝ち頭は大瀬良大地で15勝7敗、勝率.682で最多勝と最高勝率の2冠を獲得、クオリティスタート(QS)21、QS率77.8%もリーグトップです。なお、3連覇中の広島の最多勝が

2016年 野村祐輔
2017年 薮田和樹
2018年 大瀬良大地

 と毎年違うのも、前田健太移籍後は絶対的エースのいない広島投手陣を象徴しています。規定投球回数を超えたのも大瀬良とジョンソンのみ、優勝チームで完封投手が0だったというのは史上初です(完投は大瀬良2、九里亜蓮1)。

 セ・リーグでは圧倒的優位で3連覇、日本シリーズ進出を決めたカープでしたが、日本シリーズではホークス相手に8度の盗塁を試みて全て失敗、2度本塁での憤死もあり、足を使った攻撃を封じられしまいます。実はシーズン中も盗塁に関しては、数こそ95とトップですが盗塁刺も45でワースト。成功率66%、盗塁による得点価値を示すwSBも-3.67とマイナスの効果になっています。チームで盗塁成功率を高める対策を講じる必要があります。

4連覇へ向けて若手の成長で「丸ロス」をどこまで埋められるか

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