6年連続Bクラス中日の戦力整理…一時代の終わり、岩瀬や荒木、浅尾ら6選手が引退

中日・岩瀬仁紀【写真:荒川祐史】
中日・岩瀬仁紀【写真:荒川祐史】

支配下での戦力外は若松、谷の2人、育成では3選手が戦力外通告

 2016年途中から指揮を執る森繁和監督の下で戦う3年目のシーズンとなった中日。松坂大輔投手の入団により開幕前から大きな注目を集めた今季、6年ぶりのクライマックスシリーズ出場、7年ぶりのセ・リーグ優勝を狙ったが、結果的には63勝78敗2分の5位に沈んだ。

 シーズン終盤まで3位の可能性を残したが、シーズン中もAクラスが目前に迫ると連敗を喫して引き離され、再び追い上げては、離されるという浮き沈みの激しい1年となった。チーム打率はリーグ2位を記録したが、同防御率は12球団ワースト。6年連続Bクラスで、セ・リーグで最もCSから遠ざかっている。

 2000年代中盤からは常に優勝を争っていた中日だが、近年は苦しい戦いが続く。なんとか巻き返しを図りたい来季に向け、ドラフトでは1位で喉から手が出るほど欲しかった準地元・岐阜出身の根尾昂内野手の獲得に成功。2位で即戦力の梅津晃大投手もチームに加えた。

 その一方で、岩瀬や荒木、浅尾といった長らく中日を支えてきたレジェンドたちが相次いで現役を引退。このオフだけで実に6選手がユニホームを脱ぐことに。支配下での戦力外は若松、谷の2人にとどまり、育成で3選手が戦力外通告を受けた。

 そこで、ここでは現役引退や戦力外などになった選手の主な実績などを振り返ってみたい。

○岩瀬仁紀(現役引退)
 前人未到の1000試合登板を果たした“鉄人左腕”。西尾東高から愛知大、NTT東海を経て1998年のドラフト2位で中日入り。1年目にいきなりセットアッパーとして65試合に投げて10勝をマークすると、そこから歴代最高の15年連続50試合超に登板。2004年途中からはクローザーとなり、2005年から9年連続30セーブを達成した。昨季、50試合に投げて復活し、今季も48試合に登板したが、今季で引退。3度の最優秀中継ぎ投手、5度の最多セーブに輝き、通算1002試合登板、通算407セーブは歴代最高記録。24歳でのプロ入りだったが、プロ20年間で輝かしい実績を積み上げた。通算1002試合59勝51敗407セーブ82ホールド、防御率2.31。

○浅尾拓也(現役引退→2軍投手コーチ)
 岩瀬とともに中日の“黄金期”を支えた中継ぎ右腕。常滑北高、日本福祉大を経て2006年の大学生・社会人ドラフト3位で入団。2年目に44試合に投げて勝利の方程式の一角を担うと、2009年には先発として開幕投手を務めて勝利。その後は岩瀬に繋ぐセットアッパーの地位を確立し、2010年には72試合に投げて12勝、NPB歴代最高の47ホールドを記録。2011年にも79試合に投げて45ホールドをマークした。2012年以降は右肩の故障に苦しめられて登板数を減らした。今季も10試合の登板に終わり、現役を引退。通算416試合38勝21敗23セーブ200ホールド、防御率2.42。

○荒木雅博(現役引退→2軍内野守備走塁コーチ)
 巧打堅守の内野手として中日の“黄金期”になくてはならない存在だった。1995年のドラフト1位で熊本工から入団。1軍に定着したのは6年目の2001年。111試合に出場して打率,338を記録すると、2002年からはレギュラーに。以後、“アライバコンビ”としてチームを支え、2017年には史上48人目の通算2000安打を達成した。ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞6回、盗塁王1回。通算2220試合7639打数2045安打34本塁打468打点、打率.268。

○野本圭(現役引退)
 岡山南高から駒沢大、社会人の日本通運を経て、2008年のドラフト1位で入団。今季で10年目だった。ルーキーイヤーから64試合に出場すると、2010年には118試合に出場。だが、故障もあって外野手のレギュラー定着はならなかった。今季はわずか8試合出場に終わり、現役引退を決断。通算449試合827打数185安打83打点、打率.224。

○工藤隆人(現役引退→1軍外野守備走塁コーチ)
 弘前実高、青森大、JR東日本を経て2004年ドラフト9位で日本ハムに入団した“松坂世代”の1人。俊足堅守の外野手として3年目に72試合、4年目に104試合に出場したが、2008年オフにトレードで巨人へ。2011年途中にロッテへトレードで移籍し、2013年オフには戦力外となった。トライアウトで当時の落合博満GMに見初められて中日へ。移籍後も代走や守備固めとして重宝され、今季も73試合に出場したが、引退を決めた。通算635試合784打数199安打1本塁打49打点、打率.254。

○谷哲也(戦力外→現役引退)
 鳴門工高から日立製作所を経て2007年の大学生・社会人ドラフト3位で中日へ。7年目の2014年に59試合に出場し、これがキャリアハイ。その後もバイプレーヤーとして2016年に52試合、2017年には53試合に出場したが、今季はわずか3試合止まり。オフに戦力外通告を受け、現役引退を決めた。

○若松駿太(戦力外→BC栃木)
 祐誠高から2012年のドラフト7位で中日へ。チェンジアップを武器に3年目の2015年に一気に台頭。先発ローテに入ると、23試合に登板し、2桁10勝をマークした。2016年も7勝をマークしたが、その後は低迷。昨季は7試合の登板のみに終わると、今季は1軍登板なし。オフに戦力外となり、トライアウトを経てBCリーグの栃木への入団が決まった。

○ディロン・ジー投手(自由契約)
 メジャー通算51勝の実績を引っ提げ、大きな期待を寄せられて入団した右腕。だが、3月31日の広島戦で6失点。その後も8回3失点、8回2失点など安定した投球を見せていたものの、味方の援護にも恵まれずに白星をつかめず、4月下旬に右腕の血行障害を訴えて帰国。そのまま復帰することはなく、オフに自由契約となった。NPB通算4試合0勝3敗0セーブ0ホールド、防御率4.00。

○オネルキ・ガルシア(退団)
 ロイヤルズ傘下から今季加入した左腕。当初はジーへの期待の方が大きかったが、蓋を開けてみれば、ローテの大黒柱として大車輪の活躍。27試合に登板して、チームトップとなる13勝をマークした。来季も貴重な戦力として期待されていたが、オフの契約交渉で代理人サイドと決裂。1年での退団が決まった。NPB通算27試合13勝9敗0セーブ0ホールド、防御率2.99。

○山本雅士(育成、戦力外)
○吉田嵩(育成、戦力外)
○西浜幹紘(育成、戦力外)

(Full-Count編集部)

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