野球人の道は様々 台湾、豪州での生活を経てチェコリーグに挑戦した鶴巻氏

大谷と同じメジャー式の祝福「サイレント・トリートメント」を受ける

 台湾でのプレーを終えてしばらくして、チェコリーグに所属する「コトラーカ・プラハ」(以下プラハ)から入団オファーが届く。迷いなくチェコ行きを決めた鶴巻氏は、入団決定後、わずか3週間で渡航準備を済ませ現地へと飛んだ。

 チェコリーグは1部から3部までレベルが分かれており、大学野球のようにプレーオフや入れ替え戦も行われる。鶴巻氏が入団したチームは1部リーグに属しており、全10チームで上位6チームがプレーオフに進出でき、優勝を目指すシステムとなる。

「プラハは打撃と俊足を評価されて入団しました。初日に監督やチームメイトとあいさつしましたが、みんな気さくに話しかけてくれてプレーしやすい環境でした」

 チェコでは住居や保険など生活は球団が保証してくれていたため、後は野球に集中するだけの環境が整っていた。また、鶴巻氏自身にとっても既にオーストラリアや台湾での経験があったおかげで、他国の選手とのプレーや言葉の壁はそれほど大きな障害にはならなかったという。

 そんな中、チェコでは貴重な経験をしたという。「選手とファンとの距離がとても近いのです。試合後、球場の近くにあるバーへ一緒に飲みに行ったりします。ほかにも自分がホームランを打ったときにチームメイトからサイレント・トリートメントをされました。メジャー式の祝福ですね」

 エンゼルスの大谷翔平選手も初本塁打を放ちベンチに戻った際、チームメイトからわざと無視された「サイレント・トリートメント」だ。日本では盛大に喜ぶ場面で、あえて無視をするというメジャー式の祝福を、鶴巻氏も経験している。

海外で得た考え方と思い「周囲の目を気にすることがなくなった」

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