大谷翔平、2年後の二刀流成功の鍵は? エンゼルスOB長谷川滋利氏が語る課題

エンゼルスOBの長谷川滋利氏【写真:本人提供】
エンゼルスOBの長谷川滋利氏【写真:本人提供】

トミー・ジョン手術は2回が限度「3回目となると復活できる可能性はかなり減ります」

 残念だったのは右肘のケガ。6月には右肘の内側側副靱帯損傷で故障者リスト(DL)入り。さらにシーズン終盤には右肘に新たな損傷が見つかり結果的にトミー・ジョン手術を受けることになった。即、手術を受けずに打者としてシーズン最後まで出場している。

「これは本人が球団と話し合って決めた決断ですし、色々な可能性を探った中で手術ですから。ですが、僕自身は手術しない選択肢もあったのでは?と感じるところもあります。負担の掛かり方は違いますが実際、手術が決まっても打者として最後まで試合に出ることはできた。やはりメスを入れるのはリスクもある。過去の例をみてもトミー・ジョン手術ができるのは2回まで。3回目となると復活できる可能性はかなり減ります。肘に負担がかからない投げ方、球数を含め、どうしたら2回目を防ぐことができるかを今後は考える必要があります」

 投手としての復帰は2020年以降になる見通し。現在はリハビリを行い、打者として来シーズンの復帰を目指している。「投手・大谷」は再びメジャーの舞台で活躍することはできるのだろうか?

「アメリカのリハビリ過程は非常に優れています。手術翌日から動かしますから。あとは大谷本人が禁止されている動きをどれだけ我慢できるか。投手は投げられるか気になるものですから。彼ならその部分は問題ないとは思いますが。あとは、スタイルをどれだけ変えられるか。一つ、気になったのは『スピードにこだわりたい』と話していたこと。160キロが出て、スピードはもう十分だと思います。それよりはいかに球数を少なくするか。どうやったら1球で仕留められるか、完投はないですが1試合70球程度で終える。シーズンを通して二刀流をやるなら負担を少なくしていくことですね」

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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