MVP丸の流出、左腕に、内野手も!? 支配下登録から見る広島の補強ポイントは?

まだ大きな戦力補強はなし、丸の人的補償もポイントに

○内野手

 内野の中で、二塁手の菊池涼介、遊撃手の田中広輔は安泰。残る一、三塁手を安部友裕、堂林翔太、西川龍馬、メヒアらが争う。外野手の松山竜平とバティスタも一塁手を兼任できるため、ここのポジション争いは激化するだろう。ドラフトで小園海斗を含む4人の内野手を指名、全員高卒で素材型の選手中心の指名となった。20代終盤の選手が多く、次の世代の20代前半~中盤の選手が不足しているため、意外と世代交代に苦労する可能性もある。FA権取得が迫っている選手もいるため、若手を育てる必要がありそうだ。

○外野手

 2年連続MVPの丸佳浩がFA移籍。出塁率リーグトップだった丸の移籍はあまりにも痛い流失となってしまった。外野の中で右翼手の鈴木誠也のレギュラーは確定。4連覇を目指すうえで主砲が健康を保つことは必要不可欠になる。丸のいた中堅手の後継者は今季初の規定打席到達を果たした野間峻祥が筆頭だろう。残った左翼手を松山、バティスタらが争う形になる。ベテランが多く、若手が少ないポジションのため、2012年ドラフト1位の高橋大樹や、ドラフトで加入した正随優弥といった若手の飛躍で丸の穴を埋めたいところだ。

 セ・リーグ3連覇を果たした広島だが、FAで主力の丸が同一リーグの巨人に移籍。ドラフト以外には大きな戦力補強もまだなく、丸の人的補償で誰を獲得するかにも注目が集まる。外国人も現時点で7選手在籍しているため、補強は現実的でない。4連覇を果たすには丸の穴をどう埋めるかが最大のカギになってくる。さらに、長年の課題である左腕、そして、数年後を見据えた内野手の強化も必要か。ただ、巨人からの人的補償選手も加えれば支配下登録は68人となる見込みで、枠はほぼ埋まっているというのが現状だ。

 菊池、會澤に加え今村、野村も順調にいけば来季中にFA権を取得し、松山もFA権を持っている。若手の育成で主力の流出を補ってきた広島だが、今後も常に「もしも」に備えていくことになる。

【最新版】広島のポジション・年齢別支配下登録選手一覧

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