マイコラスの米復帰に裏話… 代理人が明かした“大谷効果”「日本へ行くなら…」

カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】
カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】

代理人ニーロ氏が積極的に売り込み「マイルズも見てください」

 巨人で3年プレーした後、カージナルスと2年契約を結んでメジャー復帰を果たしたマイルズ・マイコラス投手。復帰1年目の今季は32試合に投げ、18勝4敗、防御率2.83の好成績で、ナ・リーグ最多勝に輝いた。マイコラスの活躍ぶりに「素晴らしいシーズンだった」と目を細めるのは、代理人を務めるアラン・ニーロ氏だ。そして、巨人で圧倒的成績を残した右腕のメジャー復帰には“大谷効果”があったことも明かした。

 2009年ドラフト7巡目でパドレス入りしたマイコラスは、マイナーでの下積みを経て2012年にメジャーデビュー。力強い速球を武器に、1年目こそ救援で25試合に投げ、2勝1敗、防御率3.62の成績を残したが、翌2013年はわずか2試合に登板しただけ。レンジャーズに移籍した2014年は、10試合で先発するも2勝5敗、防御率6.44と成績は冴えず。メジャーに一度も定着しなかった右腕は、投手としての成長と変化を求め、2015年から巨人に戦いの場を移した。

 巨人では1年目に21試合に投げて13勝3敗、防御率1.92という圧倒的な成績をあげた。だが、ニーロ氏によれば「メジャー球団からはどこからも問い合わせはなかった」という。そして、2年目の2016年は右肩痛で出遅れたことも影響し、14試合の先発にとどまったが、4勝2敗で防御率は2.45。この時も「どの球団からも連絡はなかった」と振り返る。

「マイルズは間違いなくメジャーで活躍できる」

 そう確信していたニーロ氏は、マイコラスが巨人で3年目を迎えた2017年、ちょっとした“ブーム”を利用したという。

「メジャー球団の首脳陣やスカウトが、こぞって日本へ出掛け始めた。ショウヘイ・オオタニを見るためにね。そこで日本に行くという球団には、必ずマイルズの登板スケジュールを知らせるようにしたんだ。せっかく日本に行くなら、マイルズも見てくださいって」

 代理人の努力も実って、マイコラスはカージナルスと2年1550万ドル(約17億5500万円)の契約を結んでメジャー復帰。“逆輸入”1年目で先発ローテの柱となる大車輪の働きを見せた。

「私が考えていた通り、マイルズは日本で成長した姿をそのままメジャーで発揮できた。彼にとって、日本で過ごした3年間は素晴らしい勉強の時間になった。その経験を生かして、1年でも長くいいパフォーマンスを見せ続けてほしいね」

 カージナルスの先発ローテに不可欠な存在となったマイコラス。来季もまた圧倒的なピッチングで打者をねじ伏せ、念願のワールドシリーズ制覇を果たしたい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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