規定投球回到達、完投数は最少、増える救援登板 データで見る投手戦略の変化

中継ぎの登板数は増加傾向、メジャーでは「オープナー」という戦術も

 最近10年間の規定投球回到達投手のセ・リーグ平均は14.3人、パ・リーグ平均は13.6人となっている。DH制を採用し、投手に代打を出されることのないパ・リーグのほうが、セ・リーグよりも長いイニングを投げやすいイメージがあるかもしれないが、規定到達者の人数ではむしろセ・リーグのほうが多かった。

 次に完投数だ。最近10年間の完投数は平均116.6試合。2018年の完投数はセパ合わせて85試合にとどまった。2011年の168試合から年々減少が続いていて、2018年は過去10年間で最少の数となっている。最多だったのは2009年で172試合の完投があった。2018年は菅野が1人で10完投を記録したにも関わらず、最低の85試合となった。最近10年間の完投数のセ・リーグ平均は49.3試合、パ・リーグ平均は67.3試合。こちらはDH制を採用するパ・リーグと、採用しないセ・リーグの差が出ている。完投数でセ・リーグがパ・リーグを上回ったのは2015、16、18年の3年間ある。

 最後に中継ぎ投手の登板数を見る。最近10年間の中継ぎ投手の登板数の総計の平均は2441.1試合、1球団当たりでは406.9試合となっている。1試合当たり約2.83人のリリーフ投手を使っていることになる。2018年に記録した数はセが2636試合、パが2619試合とどちらも最近10年で最多だった。最少だった2009年から増減を繰り返してはいるが、増加傾向にある。1シーズンでの中継ぎ投手の登板数が500試合以上だったのは、2011年の横浜(520試合)と2018年のDeNA(503試合)のみだった。

 最近10年間の中継ぎの登板数のセ・リーグ平均は2496.7試合、パ・リーグ平均は2392.1試合だった。DH制を採用しないセ・リーグは投手に代打を出すことが多く、それがこの数字につながっていると考えられる。パ・リーグがセ・リーグを上回った年は2015年のみだった。

 日本でトップクラスの成績を残してきた先発投手たちが続々とメジャー移籍した影響もあるが、最近10年に限ってみても、NPBの継投策は、先発投手を引っ張らずに、早いイニングで多くのリリーフ投手をつぎ込む方向にシフトしている。MLBでは「オープナー」といって、初回からリリーフ投手を登板させ、短いスパンで投手を変えていく戦略も出てきた。今後、継投策はどのように変化していくのだろうか。

(Full-Count編集部)

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