日本人内野手の米移籍は2012年オフが最後 メジャーで待ち受ける壁とは

160キロ越えの剛速球は当たり前…今季はエンゼルス大谷も苦戦

 打撃の壁は何と言っても相手投手の剛速球だろう。今季打率.233だった打撃の改善は確実に必要だが、現在のメジャーでは100マイル(約161キロ)を超える剛速球は決して珍しくない。オープン戦で打率.125と苦しんでいたエンゼルスの大谷翔平は、シーズン開幕直前に右足を上げていた打撃フォームをすり足に改良。「ボールが速いのが一番。平均したら数マイルの差だが、打席ではかなり違う」と明かしていた。大きく左足をあげてタイミングを取る菊池は大谷と同じように打撃フォームの変更を求められるかもしれない。

 さらに、カットボール、ツーシームのような動く球への対応も不可欠だ。菊池は今季まで3年連続2桁本塁打を記録し、国際大会でも17年WBC準決勝、米国戦で右越え本塁打を放つなどパンチ力を秘める。さらに、バント、エンドランなど小技も使える。フライボール革命が全盛のメジャーで、その魅力をどうアピールするかがレギュラー奪取の鍵を握る。

 今季、メジャーの二塁手で規定打席に到達した20人。その内訳は20代が目立ち、30代はマリナーズの30歳ゴードン、アスレチックスからFAとなっている34歳ラウリー、フィリーズからFAとなっている33歳カブレラ、パドレスの36歳キンズラー(今季はエンゼルス、レッドソックスでプレー)、ブルージェイズからFAとなった31歳ソラーテの5人だけ。若くしてメジャーの経験を積んできた選手が多い。早くても30歳の“オールドルーキー”となる菊池には、早くから定位置獲りへのアピールが求められる。

 2年連続でセ・リーグMVPに輝いた丸佳浩がFAで巨人へ移り、「お兄ちゃん」と慕ったベテラン新井貴浩も現役引退。菊池には来季主軸としての役割が求められる。菊池はその中でどのような進化を見せ、メジャーへアピールするのか。まずは来季の大活躍を期待したい。

(Full-Count編集部)

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