安打数に占める単打の割合が最も多いのは… セ・パ両リーグの「単打王」は誰だ
セ・リーグの「単打王」上位10傑も曲者揃い
セ・リーグも見ていこう。
○セ・リーグ、上位10傑 ※所属は2018年
1坂口智隆(ヤ).820(単打132/安打161 打率.317)
2京田陽太(中).809(単打110/安打136 打率.235)
3大島洋平(中).789(単打127/安打161 打率.274)
4雄平(ヤ).782(単打111/安打142 打率.318)
5糸原健斗(神).7763(単打118/安打152 打率.286)
6野間峻祥(広).7759(単打90/安打116 打率.286)
7平田良介(中).753(単打122/安打162 打率.329)
8田中広輔(広).740(単打111/安打150 打率.262)
9長野久義(巨).739(単打82/安打111 打率.290)
10ビシエド(中).702(単打125/安打178 打率.348)
こちらも曲者揃い。1位の坂口は近鉄戦士。オリックスを経てヤクルトに移籍してから見事復活を果たしている。以下の顔ぶれではヤクルト、雄平が意外にも単打が多かった。2014年には23本塁打90打点を記録したが、その後は長打が減っている。しかし打率は3割。強打のイメージがあったが確実性のある打撃に変わってきたということか。セの最多単打は坂口の132本だ。
○下位5傑
33バレンティン(ヤ).565(単打78/安打138 打率.268)
34ソト(De).558(単打72/安打129 打率.310)
35丸佳浩(広).538(単打71/安打132 打率.306)
36鈴木誠也(広).526(単打71/安打135 打率.320)
37筒香嘉智(De).507(単打74/安打146 打率.295)
最も単打率が低いのは、DeNAの主砲・筒香。確実に塁に出るのではなく、常に長打を狙っていたということか。それでいて打率.295は立派だ。セ・リーグの単打王は、ヤクルトの坂口智隆で決まり。
イチローのNPB時代の単打率は通算.725だったが、MLBに移籍して.814に上がった。様々な意見が出ることもあったが、大選手の階段を上ったと言えよう。
タイ・カッブは「50センチ先に転がしたヒットと、50メートル先に飛ばしたヒット。この両方が同じヒット1本として扱われることは、野球のルールの最も素晴らしい部分である」と言ったが、「単打王」は野球という複雑な競技の魅力の一端を表す指標だと思う。
(広尾晃 / Koh Hiroo)